祝「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」!
2022年10月7日、阪急電車のデザインが2022年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」とは、暮らしの中で人々に愛され、これからも変わらずに存在し続けてほしいデザインに与えられる賞。
同賞の受賞を踏まえ、阪急電車の鉄道開業時の車両から最新型車両まで“阪急電車のデザインを守る舞台裏”が報道関係者に特別公開されました。
Kiss PRESS編集部も参加してきたので、たくさんの写真と共にレポートいたします!
<目次>
▶最新型車両(1300系)と現役車両では最も古い3300系を見学
▶歴代の保存車両(1形、10形、600形、100形、900形)を特別公開
開業時から継承!「マルーンカラー」の塗装現場に潜入!
阪急電車といえば、あの「マルーンカラー」。落ち着いた赤色が何とも落ち着いていて高級感がありますよね。今回はその塗装現場に潜入!塗装前と塗装後の車両をどちらも見られるということで、大阪府摂津市にある正雀工場にやってきました。
こちらが阪急電車唯一の工場!車庫は他にも西宮や平井にあるものの、工場はこの正雀工場のみ。最新鋭の検修設備を導入しており、全ての阪急電車の検査が実施されています。
まず目にしたのは、マルーンカラーの車体のところどころが白く塗られているこちらの車両。よく見るとマルーンカラー部分もなんだかザラザラしていて光沢がありません。
この白い部分は車体の凹凸を埋める「パテ」なのだそう。「パテ」塗りは、技術者が丁寧に車体を確認しながら、傷や歪みをチェックし、表面が平らになるよう塗っていきます。光沢がないのは、塗料を密着させるためにサーフェイサーが塗られているため。ピカピカに輝く車体の内側には、こんな風に隠された秘密があったのですね。
ちなみにこちらの5300系車両は、今年で誕生50周年というなかなかの古株車両。正面の表示幕装置を大型にするなど、細かな改造工事はしつつも50年以上使われ続けているところに、古い物を大事にし続ける阪急電車の心を感じます。
別の車両が塗装場所に移動するということで、そちらに向かいました。これほどまでに大きくて重い車両(30トンほどあるそう)、どうやって運ぶのかと思えば天井から装置で吊り上げられていきます。
まるでUFOキャッチャーのように、車体の下部に部品をしっかりと固定し、持ち上げます。事故防止のために工場内には、メロディーが鳴り響いていました。
色を塗る順番は、まず上部のアイボリー部分を塗ってからマルーンカラー部分が塗られます。窓や車番などは飛び散った塗料が付かないようにしっかりマスキングされていました。
塗り終わった車体がこちら。ピカピカツヤツヤ!鏡のような光沢が美しい…!横にあった塗装前のものと比べてみると一目瞭然です。
塗装を終えた車両は車輪の上に移動させ、そのままドッキング。車輪も大きい!中央にはモーターが取り付けてあるそうです。
こうして美しく生まれ変わった車両が8体集まって、ようやく1つの電車が完成するのです。