ふかふかの座り心地!座席シートの張り替えを体験!
さて、次は車両の内部に迫ります。阪急電車といえば、ふかふか座り心地のゴールデンオリーブ色の座席シートも大きな特徴。こちらのシートの張り替え作業を見に行きました。
各工程がわかりやすいよう、複数のシートが設置されています。こちらは中のスプリングがわかりやすい断面の写真。あの心地良い弾力性の秘密はこのようになっているんですね。ちなみにこのスプリング部分は、ほとんど交換することなく繰り返し使い続けているそう。ここでも物を大事にする心を感じました。
クッション素材は阪急電車こだわりの密度で作られているらしく、ふかふか気持ち良い座り心地にも納得。その上を覆うシートには、アンゴラ山羊の毛が使われています。何とも言えない高級感の理由がここに!
なかなか撮る機会はないであろう、シートの接写写真です。ちょっぴりマニアック(笑)!
こちらの縫製現場と、阪急電車で使用されているシート見本の一覧表も見せていただきました。
こんなにも種類があるのですね!人によってお馴染みのシートが違うかもしれません。
ここで、座席シートの取り換え作業を実際に見せていただくことに。
座席よりも少し小さめに作られたシートを引っ張って伸ばしながら穴を開け、その穴から特殊なピンで裏側にシートをしっかりと留めていきます。
シートを留めるためのこの部品、よく見るとハート型に見えますよね!「阪急電車のシートの裏側には、実はハートがたくさん詰まっているんだ!」と、見えない発見に思わずテンションが上がる筆者。
せっかくだからと筆者もこの作業に挑戦させていただきました。簡単そうに見えたのにものすごく難しい!クッションの弾力で引き戻されるシートを抑えておくだけでも難しく、その上にシートを被せると穴の位置がどこだったかわからなくなってしまいます。
職人さんいわく、「1シートで100個ほどこの作業をするので、自然に穴の場所もわかるようになってきますよ」と。ちなみにこのシート張り替えの作業は、通常お一人で全てされるそうです。手際よく留められていく様子を見ながら「もっと有難く思いながら座ろう…!」と固く誓いました。