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映画『his』より宮沢氷魚、藤原季節にインタビュー

2019年公開の映画『愛がなんだ』で、若い女性から絶大な支持を受けた今泉力哉監督の最新作『his』。本作は、かつて恋人同士だった男性2人の、8年ぶりの再会から始まる物語。連続ドラマ「偽装不倫」で人気急上昇、今最も注目されている若手俳優・宮沢氷魚さんが主人公・井川迅を演じ、映画初主演を務める。迅の恋人 日比野渚役には、連続ドラマ初主演作『すじぼり』(U-NEXT)や映画『ケンとカズ』、『全員死刑』などエッジの立った作品で爪痕を残してきた藤原季節さん。LGBTQの人々との共存の希望を込めながら、恋人や家族ともまた違う新しい人間関係を描いた本作への想いを、宮沢さんと藤原さんに聞いた。

―公開を前に名古屋・大阪・兵庫での舞台挨拶など、地方キャンペーン中。関西は堪能されましたか?
藤原 (Kiss PRESS1月号の表紙を見て)ラーメン美味しそうー!名古屋で食べた台湾ラーメンがとても美味しかったです。大阪に着いてからは取材が続いていて一歩も外に出ていないので、まだ実感がないです(笑)。
宮沢 でもさっき会津屋さんのたこ焼きをいただいてすごくおいしかったです。「元祖ラヂオ焼き」というのがあって、牛すじとコンニャクだっけ?
藤原 え?そうなの?
宮沢 タコ入ってなかったでしょ?何が入っていると思った?
藤原 「ラヂオ焼きだなぁ〜!」って思いながら食べてたよ(笑)。あれは牛すじだったんだね。
宮沢 僕は明日も大阪で仕事があるんですけど、季節くんは今日で帰るんだよね?
藤原 2日間一緒にいて、昨日も久しぶりに2人でゆっくり遅くまで話したり楽しかったので、ちょっと切ないですね。

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僕の理解者は季節くんしかいなかった
隣にいてくれるだけで支えられた

―LGBTQをテーマにした難易度の高い作品ということで、クランクイン前はとても不安だったそうですね。
宮沢 プレッシャーと責任感、まだ100%迅になれている自信がない不安で、初めて「クランクインの日が来なければいいのに」って思いました。あまり人に相談できないタイプなので、1人で考え込んでしまって辛い日々でした。
―どこで前向きな気持ちに切り替わったのでしょうか?
藤原 最後まで切り替わってないんじゃない?
宮沢 うん…切り替わってないね。今でも迅を100%理解できたのかなって考える時はあります。季節くんと不安な気持ちを直接話したことはなかったんですけど、雰囲気で同じ気持ちであることは感じて。僕の理解者は季節くんしかいなかったと思うし、隣にいてくれるだけで支えられましたね。
藤原 僕もクランクイン前日に渚になりきれているのか不安で不安で。「はじまって欲しくない」ってずっと思っていました。

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―撮影期間中は、共同生活を送られていたそうですね。
宮沢 岐阜県白川町にあるロッジで10日間一緒に住んでいました。朝から晩まで撮影で一緒にいるのに「寝る時まで一緒か…」と最初は嫌だったんですけど、いざ共同生活が始まると合宿のような濃い時間を過ごすことができました。
藤原 僕も「1人の時間が欲しいな…」と思っていたんですけど、毎日遅くまで撮影していたのに部屋に帰ってきてからもずっと話していて、「あと30分で寝ようね」って言いながら1時間経っていたこともありました(笑)。
宮沢 ちょうどイチロー選手が引退を発表した時期で、僕は野球が大好きなので「イチローやめちゃうんだ…」とか言いながらテレビを観ていて、でもそんな大事な記者会見中、季節くんはお風呂に入っていて。「え、ありえない」って思って(笑)。
藤原 「季節くん!イチローが引退するよ!」って呼び出されて「氷魚くんが怒ってる」と思ってタオル一枚で出て行きました(笑)。
宮沢 そりゃね、イチロー選手ですから。その時以外も、僕はテレビを観ながら1人でブツブツ言っていたらしいです(笑)。
藤原 「これ知っている!」とかブツブツ言っていて、素朴な一面があるんだなと見ていて面白かったですね。

―共同生活が作品に活かされた部分はどのあたりですか?
宮沢 何年も会っていなかった2人が再会するシーンは、クランクインして2日目くらいに撮影したので僕と季節くんの距離感が、迅と渚の距離感としてリアルに反映されていて。順撮りだったので、実際に一緒に生活して僕たちの距離感が近づいていく過程が、無意識に迅と渚にも反映されていたのが良かったかなと思います。
藤原 白川町での撮影後に東京で撮影したんですけど、迅がいない撮影が多くてすごく寂しくて。白川町での撮影では休憩時間にお弁当を一緒に食べたり、(渚の娘)空と3人で寝転がったり本当に楽しかったので。24時間ずっと一緒にいたからこそ、会えない時間に自分の中にぽっかりとしたものを感じてしまいましたね。

©2020 映画「his」製作委員会

©2020 映画「his」製作委員会