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株式会社ポトマック 代表取締役・金指光司さんにインタビュー

開業以来神戸市民に愛され、今や神戸を代表するレストラン・洋菓子店として知られる「TOOTH TOOTH(トゥーストゥース)」。1986年にトアウエストにオープンしたレストランバーから始まり、今年で創業35周年を迎えます。1999年に株式会社ポトマックに商号変更して以来、関西・関東エリア中心にカフェ、バー、レストラン、洋菓子店と100店舗以上のマルチブランドを展開。創業者で代表取締役の金指光司(かなさし こうじ)さんに、TOOTH TOOTHにかける想い、そして今年オープンする新店舗の見どころについて話を聞きました。

―金指さんは東京で初めて目にしたカフェ・バーを「神戸にも作りたい」と思ったことをきっかけに開業。創業から約35年が経った今も変わらず大事にしていることはありますか?
「楽しむこと」ですね。そして、“美味しい”はもちろん、“かっこいい”、“かわいい”、 “面白い”、“楽しい”という感性。食べ物だけでなく、音楽も含めたその空間すべてで幸せなひと時を演出できると思うので、TOOTH TOOTHにいる時間が喜びで、幸せだと思っていただけたら、僕たちも幸せだなと思っています。会社を続けていく上で売り上げももちろん大事ですが、そのアイデンティティーを変えてしまうと僕たちがやっている意味はないんです。

―身近でありながらもどこか特別でワクワクするTOOTH TOOTHは、そういう思いから作られていたのですね。
時代とともに変わったことももちろんあります。1995年の阪神・淡路大震災などターニングポイントもたくさんありました。震災の時、なんとか無事だった店舗で営業を再開して、老夫婦が涙ぐみながら「おいしい。おいしい。ありがとう」と言ってくれた姿に「飲食業はお腹を満たすだけじゃなく、心も満たすんだ」と気づかされました。緊急事態宣言でお店が閉まって人がいなくなった街を見ると震災を思いだしますね。

PATISSERIE TOOTH TOOTH 本店

PATISSERIE TOOTH TOOTH 本店

―現代のコロナ禍で外食の機会が減り、外食はまたしても特別なものになりました。おうち時間が増えたらからこそ、大切な人と過ごす外での時間について深く考えさせられた方も多いと思います。
僕自身もそうで、家でご飯を作るけどやっぱり毎日のことだから大変ですよね。たまにはお店で手の込んだものが食べたいし、お酒も飲みたい。生きていく上でそういう“潤い”は大事。コロナ禍で人間はその潤いがないと豊かな気持ちになれない生きものなんだなと痛感しました。街にお店がたくさんあることで人の活気や癒やしとなり、希望になる。飲食店は人に寄り添い、大きな役割を担っているのだと再確認しました。

―お腹と心ともう一つ、「別腹」を満たすためにオープンされた洋菓子店「PATISSERIE TOOTH TOOTH」は、“神戸らしい”おしゃれな見た目と季節感溢れるラインナップで女性を中心に人気です。店名の本当の由来は“母の味”という噂を聞いたのですが本当ですか?
本当です。TOOTHは英語で“歯(は)”。“何事も楽しむ”という想いから“ハハッ”と笑う様を表現して「TOOTH TOOTH」と名付けたのですが、実はもう一つ、“はは(母)の味”という意味もあります。これは秘密にしていたはずなのですがどこからか漏れて、今ではオフィシャルになりつつあります(笑)。外国の方も「面白い名前だね」と喜んでくれますが、この由来を英語で説明するのが難しくて上手く伝わりません(笑)。

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―過去のブログにある「本気でケーキを味わう女の人って、笑っているのか泣いているのかわからない怖い顔をする」という一文がすごく胸に刺さりました。まさに、私もケーキを一口食べて「美味しい…」とかみしめていると「美味しくなかった?」と聞かれたことがあるんです(笑)。
女性って食べるときに心の底から、全身全霊で向かい合いますよね。男性にはない生理反応で、畏怖さえ感じるほどにすごいなって思ったんです。TOOTH TOOTHのお客様は8割が女性で、スタッフも7割が女性。“女性が幸せを感じることに間違いはない”と思っているので、スイーツ好きが多い女性に寄り添えるお菓子を作りたいなと思っています。

―そうした女性への歩み寄りが洋菓子の街・神戸においても根強い人気を獲得している秘訣なのかもしれないですね。4月26日には三宮の新しいランドマークとして生まれ変わる「神戸三宮阪急ビル」内の商業施設エリア「EKIZO(エキゾ)神戸三宮」にTOOTH TOOTHの新業態「TOOTH TOOTH ON THE CORNER」がオープンします。こちらはどんなお店になるのでしょうか?
目指すのは、コース料理を食べている夫婦の横で、1人でコーヒーを飲んでいる人がいたり、恋人たちがワイン片手にデリを楽しんでいたりと、外国にあるような自由に楽しめるお店。1日中オールマイティーに使える新しいコンセプトストアとして、モーニングからバーまでその人の好きなシーンで好きなように楽しめるお店を展開します。モーニングは新しい挑戦となりますが、テイクアウトでも提供予定のパンやサンドイッチとサラダ、コーヒーなどを店内でも提供します。これはまだ企画段階ですが、焼きたてパンを使ったスペシャルなメニューも作る予定です。ランチは、オリジナルのTOOTH TOOTH MADEのパスタ。お客様のSNS投稿でケーキの次にパスタが多いんですよ。TOOTH TOOTHのフレンチシェフが作るパスタは、味の深みや素材の組み合わせが“ええ感じ”で、僕自身とても好きなんです。そのほか、神戸や淡路島など兵庫の食材をふんだんに使ったデリカテッセンやワイン、契約牧場より仕入れた神戸牛などをリーズナブルな価格で食べていただきたいと思っています。あとは、パティスリーのケーキももちろん販売します。人気のアフタヌーンティーもまた新しい形で提供しようと思っているので楽しみにしてもらえればと思います。地産地消に取り組んだり、サラダのドレッシングも手作りしたりなど、安心安全の食事を届けられるようにと細かなところまでこだわるようにしています。

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―新店舗ならではの名物はありますか?
ピザ・野菜などを焼き上げる石窯で焼いたロティサリーチキンですね。サンフランシスコにある「ズニカフェ」のロティサリーチキンは世界中から食べに来るほど美味しくて僕も好きなのですが、その味をイメージして。ワインともすごく合うのでぜひ味わっていただきたいです。ワインもオーガニックワインなど豊富に揃える予定です。

―モーニング、ランチ、ディナー、バー、そしてパン・デリのテイクアウトとすべてが揃う、いわば「TOOTH TOOTHの総集編」なのですね!
そうですね。TOOTH TOOTHと聞くとケーキ屋さんをイメージする人が多いですが、レストランでこだわるパスタやパン、maison 15thのフレンチコースなど、TOOTH TOOTHのいろんな顔、美味しさ、面白さを若い方にも知っていただきたいです。駅近という立地も生かし、老若男女問わず、気軽に訪れてもらえる場所になればいいなと思っています。

―また、神戸のウォーターフロントエリアに今秋オープン予定の「神戸ポートミュージアム」にも出店されるそうですね。
2〜4階の水族館の下、1階部分にTOOTH TOOTHのマーケットのように楽しめるフードホール「TOOTH MART FOOD HALL & NIGHT FES」をオープンします。テーマは「TOO SMART LIFESTYLE」で、生活をちょっと豊かに、楽しく、幸せになるような“ハレの日常”を表現できればいいなと思っています。店舗で手作りするできたて、ライブ感にこだわり、神戸牛や魚介をメインにしたブースをはじめ、パスタとピザとサラダのお店、パティスリー、クラフトビールが楽しめるバーなど全9店を展開します。県外からもたくさんお客様が来てくださると思うので、神戸の食材は積極的に取り入れ、関西っぽい“ソースもの”もポップアップショップで提供したいなと。アクアリウムとアートを融合した今までにないような都市型の水族館になると聞いているので、フードホールも合わせて神戸のランドマークとして広まるような場所にしたいなと思っています。この「TOOTH MART」は先行してオンラインショップとしてもスタートするんです。パティスリーではすでにオンラインショップを展開していますが、コロナ禍ということもありたくさんの方が利用してくださっています。オンラインでもリアルでも楽しめる店舗として、いろんな楽しみ方ができるようになると思います。そして、この店舗の店名は「TOOTH MART FOOD HALL」の後に「NIGHT FES」が続いていて。外国の方に神戸は夜に遊ぶ場所がないとよく言われるので、大人が楽しめるナイトスポットとしても提案できればいいなと思っています。ライブなど様々なイベントを企画する予定です。

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―最後に、金指さんの今後の展望をお聞かせください。
時代的にお客様の共感がない限り、いくら店舗を増やしても、いくら稼いでもナンセンスな気がしていて。僕たちのお店があることで、神戸をはじめとするその街に貢献して、その街に住む方、来る方に喜んでもらえるような場所を作ることがミッションだと思っています。その地域の方々、働く人にとって意味のあることでないといけない。コロナ禍でその本質をより大事にしたいという想いが大きくなりました。神戸での新店舗については観光都市として住んでいる方の夢や希望になれば嬉しいですね。そして今後は、人が集まらない場所にお店を作って人を集め、街を、文化を創出することができればいいなと思っています。

TOOTH TOOTH ON THE CORNER

提供:TOOTH TOOTH

提供:TOOTH TOOTH

4月26日に開業する「EKIZO神戸三宮」内に、神戸生まれの「TOOTH TOOTH」の新業態、デリカフェ&ワインビストロ『TOOTH TOOTH ON THE CORNER(トゥース トゥース オン ザ コーナー)』がオープンします。神⼾の街角から“ハレの日常”を届ける「TOOTH TOOTH」の新しいコンセプトストア。 神⼾近郊の食材を使った“神⼾キュイジーヌ”のフードや自然派ワインなど、オールデイに楽しめるデリカフェ&ワインビストロです。

 住所 神戸市中央区加納町4丁目2番1号 EKIZO 神戸三宮1F
営業時間 8:00~23:00 (※予定)
定休日  施設に準ずる
公式インスタグラム https://www.instagram.com/toothtooth_onthecorner/

 神戸ポートミュージアム

完成建物イメージ(提供:株式会社アクアメント)

完成建物イメージ(提供:株式会社アクアメント)

神戸新港突堤西地区(神戸市中央区)に今年秋頃、アクアリウム、フードホール、クラッシックカーミュージアムで構成された複合文化施設『神戸ポートミュージアム』がオープン。「隆起する大地と浸食する水により生まれた造形」を表現した建物は、新たに開発される神戸新港突堤エリアのランドマークとなることが期待されています。

2〜4階に構成されるアクアリウム「átoa(アトア)」は、“劇場型アクアリウム”を基本コンセプトに、さまざまな生きものが暮らすアクアリウムと舞台美術やデジタルアートが融合した世界を繰り広げる次世代エンターテインメント施設となります。

また、1階には、神戸ブランド「TOOTH TOOTH」によるフードホールが登場。「TOO SMART LIFESTYLE」をテーマに、見た目にもこだわった料理が提供されます。同じく1階のクラシックカーミュージアムには大阪築港にあるクラシックカーミュージアム「GLION MUSEUM(ジーライオン ミュージアム)」から選び抜かれた貴重なヴィンテージカーを展示。世界中のマニアをうならせる、歴史的価値の高い希少な1台を間近で観ることができます。そのほか詳細内容については、決定次第随時発表されるそうです。

オープン 2021年秋頃(予定)
住所 神戸市中央区新港町112番2

 

取材・文:木下あづさ
写真:菅知美

掲載情報は2021年3月11日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
料金は税込表記を基本としています。

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