世界各国から集結したアーティストたちのパフォーマンスが観られる国際コンテンポラリーサーカス「Awaji Art Circus 2024」のショーを観覧してきました。

主人公”イガ”（五十嵐広大）と案内人”アナ”（金森なつみ）のナビゲーションでゲームの世界へ

今年のタイトルは「Living Legends of Awaji Island ～よみがえる淡路島伝説の世界～」で、主人公の”イガ”と観客が、案内人”アナ”と一緒に、淡路島の伝説をテーマにしたゲームをプレイするというストーリー。ゲームの中で展開される淡路島の伝説や民話の世界に入り込み、アニメーションと壮大なパフォーマンスで表現される物語を楽しむことができます。

575組の応募の中から選ばれた7か国のアーティストが次々に登場。ミュージックバンド「音楽島」の生演奏と共にショーが始まると、すぐに感じたのは客席とステージとの距離の近さです。パフォーマーの足音がすぐそこに聞こえる距離感で、まさに目の前で繰り広げられる大迫力の演技は、全席がS席のようといっても過言ではない臨場感でした。

Duo Corina & Anton（スイス、ウクライナ）

高さ10mの天井から布で吊るされ空中で演技をする「エアリアル・パフォーマンス（空中演技）」は今回の見どころの一つ。バックに流れるアニメーションと融合し、空を飛んでいるかのような躍動感あふれる演技でした。

ストーリー仕立ての展開で、一つ一つのパフォーマンスが流れるように次のパフォーマンスへと繋がり、ストーリーをつないでいきます。

Svitlana Shlikhter & Kostiantyn Tsapryka（ウクライナ）

ウクライナのバレリーナたちのバレエダンス。ずっと見ていたくなるような美しさです。

Duo Des Articulés（フランス）

民話の中に出てくる動物たちに扮して登場したパフォーマーによるコントーション。人間業とは思えないような曲線美に目を奪われます。

（左下）Nelia Ivanova ＆Mariia Vorokhobina（ウクライナ）

ストーリーに合わせてパフォーマーたちが融合し、一緒に踊る場面も。

（下）Matthieu Larose（カナダ）、（左上）Isaline Hugonnet & Yu-yin Lin（スイス、台湾）、（右上）倉智太朗

バリエーション豊かなパフォーマンスと演出で、目が離せないエキサイティングな展開が続きます。

鼓淡～KOTAN～

太鼓集団「鼓淡～KOTAN～」の太鼓は五感を揺さぶられるような音が身体に響くすさまじさ。

（右）GENESIS、（左上）FALCON、（左下）拓馬

日本人パフォーマーが魅せるバトントワリング、タップダンス、トリッキングもエネルギッシュで刺激的です。

Marceau Bidal（フランス）

サーカスならではのエアリアルの迫力は何度見ても圧巻。水中を泳ぐかのようななめらかさと、力強くダイナミックな動きの壮麗さに魅了されます。

Daniela Maier（ドイツ）

きらきらと輝くフープを自在に操る「フラフープ」。太鼓の音に合わせて形を変えていく彫刻のように輝いていました。

フィナーレはパフォーマーたちが勢ぞろい。笑顔溢れるパフォーマーたちと観客が一つになり、会場全体が賑わいと一体感に包まれます。

鮮烈なパフォーマンスの感動と余韻で、興奮が静まらないエンディング。

パフォーマンスの華々しさと、島の伝説が持つファンタジックな世界観が融合し、一時も退屈させない最高のエンターテインメントを楽しめました。10月12日には同会場でサーカスワークショップ（要予約）も開催。トップパフォーマーから直接教えてもらえるチャンスです。