数々の大ヒットミュージカルに出演し、「ミュージカル界のプリンス」と名高い山崎育三郎さん。現在では舞台のほか、テレビドラマや映画にも出演、さらにアニメ声優やラジオパーソナリティーも務めるなど、幅広いジャンルで活躍している。そんな山崎さんが一つのライフワークとして続けているのが歌手活動。7月3日に発売したカバーアルバム『MIRROR BALL ‘19(ミラーボールナインティーン)』では、プロデューサーにヒャダインさんを起用し、懐かしの歌謡曲や洋楽ヒットナンバーを真新しい“ミラーボールミュージック”として昇華させている。「新しい自分を引き出してもらったアルバム」と語る今作や、来年開催されるツアー、さらに幼少期の思い出まで語ってもらった。
新しい自分を引き出してもらうには
ヒャダインさんがピッタリでした
―7月に発売されたカバーアルバム『MIRROR BALL ‘19』では、昭和の名曲をはじめ、洋楽のディスコナンバーやディズニー映画の挿入歌など幅広いカバー曲を収録。選曲のポイントを教えてください。
はじめに自分自身はもちろん、ヒャダインさんやスタッフなどチーム皆で候補曲を出したんです。今回収録した13曲以外にもいろいろな楽曲を実際に歌ってみて、僕の声に合う曲、ミラーボールミュージックにマッチする曲、幅広い世代の方に楽しんでもらえる曲といった3つのテーマに合致する曲を絞り込みました。
―1950年代から1990年代までの名曲が収められていますが、原曲は全てご存知でしたか?
もちろん知っている曲ばかりだったんですけど、親世代の曲、もしくはおじいちゃん・おばあちゃん世代の曲も多いので「聴いたことはある」程度の曲も多かったですね。
―そのような曲をカバーされる場合、改めて原曲をじっくり聴き込まれましたか?
原曲を聴き過ぎるとその歌い手さんの歌い方やイメージが残ってしまうので、むしろ聴かないようにして「自分がどういう風に歌いたいのか」を重点に置きました。僕はミュージカル出身なので、譜面を用意してもらってそこに歌詞を書いて覚えるという、ミュージカルと同じやり方が基本になっています。
―ハワイアン調の「君といつまでも」、ラップを加えた「高校三年生」など、カバー曲でありながら原曲からは思いもつかないアレンジに仕上がっていますね。
プロデューサーにヒャダインさんを迎えて、全て期待を超える「そう来たか!」という、原曲とは全く違うアレンジに仕上がっています。「これはカバーではなく、元々こういう楽曲なんだ」と思わせるくらい、オリジナル楽曲のように歌いたいですね。
―ヒャダインさん自身も音楽クリエイターや歌手、タレントなど幅広く活躍されていますが、これまでにも親交はありましたか?
共通の友人は多いのですが、こうやって一緒にお仕事させて頂くのは初めてでした。皆さんが僕に持つイメージはやはりミュージカル俳優だと思いますし、ミュージカルといえばオーケストラやディズニーの楽曲というイメージが強いと思うんです。だから余計に「山崎育三郎×ヒャダイン」、しかもミラーボールミュージックという、皆さんのイメージを覆すようなコラボって面白いんじゃないかと。僕自身にとっても新鮮でしたし、新しい自分を引き出してもらうにはヒャダインさんがピッタリだなと思いました。
―実際にご一緒してみて、いかがでしたか?
一緒にものづくりをするパートナーとして最高でした。ヒャダインさんは歌い手の気持ちをすごく理解してくれるし、いつもポジティブ。舞台でも歌でも共通して言えることなんですが、演出家やプロデューサーの方が演者にとって演じやすい・歌いやすい空間を作ってくれるだけで僕たちはすごく芝居や歌に集中できる。今回もヒャダインさんと最初から最後までずっと楽しく、面白がりながら一つのものを一緒に作っていけたのが印象的でした。