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映画『十二単衣を着た悪魔』より黒木瞳監督インタビュー

11月6日に公開を迎えた映画『十二単衣を着た悪魔』は、現代のフリーターが突然「源氏物語」の世界へタイムスリップしてしまうエンターテインメント。源氏物語のヒールキャラ・弘徽殿女御(こきでんのにょうご)が“早すぎたキャリアウーマンであった”という斬新な見立てで展開する内館牧子さんの「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」(幻冬舎文庫)を原作に、日本を代表する女優であり『嫌な女』以来4年ぶり、長編2作目となる黒木瞳監督が映画化しました。この美しき最強のヒロイン・弘徽殿女御を三吉彩花さん、現代から平安時代にトリップする青年・伊藤雷を伊藤健太郎さんが演じます。弘徽殿女御に出会い、その運命を受け入れた雷は、“自信を失ったネガティブ男子”からどのように成長していくのか―。本作の見どころ、撮影の裏話を黒木監督に語っていただきました。

―長編2作目の監督作品として、なぜこの作品を選ばれたのでしょうか?
内館牧子さんはすごくバラエティに富んだ作品をお書きになる方なんです。2年前に舘ひろしさんと共演させていただいた、内館牧子さん原作の映画『終わった人』の撮影している時に「あ、そうだ。内館牧子さんの原作で面白い作品があったな…」と、初版の時に買って読んだ「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」をふと思い出しました。タイトルが「プラダを着た悪魔」をみたいで洒落ているなと手にとった作品だったのですが、すごく面白かったんです。そして、その時にまた読み返して「あぁ、撮りたいな」という気持ちになりました。

―映画化するにあたり、忠実に再現したいと思われたところと、映画ならではの演出で撮影されたところを教えてください。
原作がとても長いのでどこを切り取っていくかというのが一番大変でした。源氏物語54帖ある中で第13帖の「明石」のところまでが原作なのですが、今回映画で描いたのは実は第3帖までなんです。それでも描きたい女御たちがたくさん出ているので、どこまでの登場人物を出していくか、その中で何が描けるかというのを一番考えました。もちろん、現代人が源氏物語の世界へトリップして現代にまた戻ってくるという雷の成長物語は忠実に描きたいと思いました。あとは、弘徽殿女御がだんだん大人に成長する過程で「女の品性とはこういうものだ」と思わせるような強い信念を持った女性を描くことを重視しました。

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―弘徽殿女御のセリフには名言がたくさん出てきますが、黒木監督が共感したセリフはありましたか?
全部ですね(笑)。(筆者:「カワイイ女はバカでもなれる。しかし怖い女になるには能力がいる」というセリフが特に印象的でした)決して媚びない、自分の生き方は自分で決めると言う信念がかっこいいですよね。弘徽殿女御がその後に「怖いと思われても構わない。牛や馬に見られても構わない」と言い切るのは、やっぱり頭のいい人なのだろうなと思います。

―クライマックスの「自分の生き方は私が決める」と言うセリフはグッとくるものがありました。
弘徽殿女御と雷の最後のシーンなので、本当に一番大事なシーンでした。今までは陰陽師の雷が弘徽殿女御に相談されて未来(あらすじ)を教えていたのですが、ここで初めて雷が自分の意見を言って、しかも弘徽殿女御が初めて雷の言ったことをきくんです。どうやったらあのシーンを上手くお客様に伝えられるのかなと演出やカメラマンとミーティングを重ねました。でもいざそのシーンを撮影する時に、今回はだいたい順撮りだったので健太郎くんと三吉ちゃんの中で役が出来上がっていて、その姿を見て「もう何もしなくていいな」と思って、普通に撮影したんです。彼らが役に魂を入れてセリフをおっしゃっていたので、私たちはそれを撮るのみ!という感じでした。撮影をしながら「ここで風が吹く」「ここでは太鼓の音が欲しい」などいろんなことを考えながら撮っていました。

―「能書きはいらぬ。男は能力を形にして示せ!」という名言もありました。
言ってみたいですよね(笑)。当時祭政は女性にとっては関係のないことで、男性が国を作っていくという時代。そういった意味で「あなた達がきちんとやってください」という願いを込めてのセリフなのだと思います。現代で言ってしまうとまた少し違って聞こえますよね(笑)。

―そんな弘徽殿女御を演じた三吉彩花さんの印象はいかがでしたか?
三吉ちゃんは撮影していくたびに弘徽殿女御の魂が乗り移ったかなと思うほど、どんどんこの世界に入っていて。撮影に入る前に2人で話す機会を作って、弘徽殿女御のイメージを伝えたり、台本の読み合わせをしたり、私のことが嫌になるんじゃないかなと思うくらい稽古させていただきました。このセリフは「“ソ”の音から入って」、「〜だわ(↗︎)」ではなく「〜だわ(↘︎)」など、音で説明しながらものすごく細かくやりましたね。あと、女性の場合は十二単やカツラを身に付けるので、美しく撮るためにカメラテストも事前に念入りに行いました。その時に初めて弘徽殿女御に扮装した三吉ちゃんを見て、あまりの美しさに「もう、これで8割はいけたな」と思いました。

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