『谷崎潤一郎・人と作品／大谷崎の大往生』　芦屋市

　芦屋市谷崎潤一郎記念館（同市伊勢町）で現在、夏の通常展『谷崎潤一郎・人と作品』と特別展示『大谷崎の大往生』が同時開催されている。9月6日まで。

　「大谷崎（おおたにざき）」とも呼ばれた文豪・谷崎潤一郎は1965年7月30日に世を去り、今年は没後50年を数える。その死から4年をさかのぼる夏に口述筆記で始められた「瘋癲老人日記」は、死を目前にしてなお大いに喰らい楽しみ、そして書き続ける創作エネルギーのかたまりだった自らを戯画化しながらも、谷崎文学の傑作として広く知られている。

　その大往生に焦点をあてた同展では、「瘋癲老人日記」の初版本や板画家・棟方志功が手がけた挿絵原画、喜寿の祝いの宴席メニューや親しい人々に囲まれた写真など通常点を合わせ約100点を紹介し、文豪の幸福な大団円を振り返ることができる。

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