1930年創業の老舗珈琲ショップで過ごす至福の時間
豊岡駅通商店街にある『蜩珈琲店(ヒグラシコーヒー)』に行ってきました 豊岡市
JR豊岡駅から伸びるメインストリートの大開通りを5分ほど歩いた先にある『蜩珈琲店 駅通本店』(豊岡市)は、おそらく山陰エリアで最も古い、1930年創業の珈琲ショップです。
![窓際には様々なデザインのコーヒーミルやコーヒーポットが飾られていました](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb901ef1664_xl.jpg)
豊岡駅通商店街の一角に店を構えており、お洒落な木製ドアとその上に掲げられたクラシカルな看板が目を引きます。
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![蜩珈琲店 駅通本店 山根知也さん](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb9032133ab_xl.jpg)
お店を引き継いでいるのは3代目店主の山根知也さん。2代目であるお父様は駅から20分ほどの場所にある『戸牧店』を運営されています。
![コーヒーやカメラなどのハイカラ趣味が高じて、喫茶を始められたのだとか](/img/articles/47900-47999/47922/img6606976379240_xl.jpg)
創業者である山根さんのおじい様は、1925年に発生した北但大震災で倒壊した家の再建を兼ねて同店をオープン。喫茶を営む傍ら、公民館などでコーヒー教室を開いたりもしていたそうです。
![上からコーヒー入れて下からランプで温めて、コックをひねるとコーヒーが出てくるそう](/img/articles/47900-47999/47922/img6606976ca655e_xl.jpg)
写真はおじい様の時代に使われていたミルやコーヒーポット。地方ではまだコーヒーが珍しかった時代にも関わらず、焙煎も自分で行われていたというから驚き…!
![豆は常時15~20種類+月替わりの豆2~3種類を販売](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb910c5906d_xl.jpg)
戦後、2代目に代替わりしてからは「これからは家庭で珈琲を楽しむ時代になる」と考え、豆の小売り・卸売りメインに業態を変えていき、今では豆の販売が売上の9割を占めているのだそう。
![市内の鞄屋さんとコラボして開発した、豆を入れていた麻袋で作った「バッグ」もありました!](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb912254c7b_xl.jpg)
豆だけでなくコーヒー器具も豊富に取りそろえており、お家でコーヒーを淹れてみたいと思っている方や、これから珈琲店を始めようとしている方が相談に訪れることもあるそうです。
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今回は喫茶室で “お店の顔” とも言えるブレンドコーヒーを味わってきました。※ストレートコーヒーの種類も豊富です。
![重厚な一枚板のテーブルと4人掛けのテーブル席が3つ](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb91518fbeb_xl.jpg)
昭和5年創業という歴史の長さを感じさせるレトロな趣が喫茶室全体に充満しており、タイムスリップしたような気分に浸れますよ♪
![「ヒグラシブレンド」530円(税込)](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb907ecc57a_xl.jpg)
最初にいただいたのは、お店の名前を冠する「ヒグラシブレンド」。中煎りと深煎りの豆を配合しており、酸味を抑えた、苦みやコクがしっかり感じられるブレンドで、飲んだ後にほのかな余韻が残るような味をイメージしているそうです。
![「ヒグラシブレンド」のみ、ネルドリップで淹れられています](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb90a83d91a_xl.jpg)
「メインの客層が地域にお住いの方だからこそ、毎日飲んでも飽きない味を心がけている」と語る山根さん。実際に飲んでみると、たしかに重すぎず尾を引かない飲み心地で、これなら毎日おいしくいただけると思いました!ミルクや砂糖との相性も良いそうです。
![同店の雰囲気にぴったりな、ホッとする優しい味わいのケーキでした](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb9093748c5_xl.jpg)
コーヒーのおともにケーキをセットで注文することもできますよ。
![「薪火ブレンド」650円(税込)。ガス窯での焙煎が1回15~20分らしいので、いかにじっくりかわかりますね](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb90b8413a9_xl.jpg)
こちらは創業当時と同じ焙煎方法で豆を煎り上げた「薪火(まきび)ブレンド」。その名の通り、火に薪をくべて、特製の鉄釜で1時間半ほどじっくり焙煎しているのだそう。
豆の芯まで火が通った深煎りのコーヒーで、どっしりとした苦みと独特のスモーキー感を味わうことができます。
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![おじい様の時代に使われていたメニュー表。「珈琲」1杯 15銭は、当時のうどん1杯くらいの値段なのだそう](/img/articles/47900-47999/47922/img65fb90ec2e0f3_xl.jpg)
「コーヒーの味やスタイルのトレンドは時代とともに移り変わっていくので、こちらの好みを押し付けるようなことはせず、その時々でお客さんにおいしいと言ってもらえる味を大切にしています」と話す山根さん。
そんな “お客さんのおいしいを第一にする姿勢” も、同店が世代を超えて愛され続ける理由のひとつだと思う筆者なのでした。
詳細情報
- 場所
- 蜩珈琲店(ヒグラシコーヒー)駅通本店
(豊岡市千代田町1-5)
GoogleMapsで探す - 営業時間
- 10:00~18:00
※Coffeeroom(カフェ)は16:30 (L.O.16:00)まで
※焙煎等で営業時間が前後する可能性あり - 定休日
- 火曜日、第1・第3水曜日