阪神御影の高架下にある市場「旨水館（しすいかん）」で60年営業を続ける魚屋『高松商店』（神戸市東灘区）。

魚が並ぶ売場の横を抜け、奥にかかったのれんをくぐると居酒屋さんがあります。平日は夜のみの営業ですが、土日祝はお昼から開いており、市場の新鮮な魚を使ったランチや昼呑みもできると知り行ってきました。

お店の北側の道路に面した入口からも店に入れます

元々魚屋のバックヤードとして使っていたスペースを3年半ほど前に改装し、4代目となる高松さんが居酒屋にしました。これまで常連さんを中心に賑わってきましたが、2月に御影界隈の店舗で開催したイベント「御影バル」が大盛況で、また新たなお客さんも増えているんだとか。高松さんはバルで副実行委員を務めていました。

「日替わり定食」1,100円（税込）

現在7種類ある土日祝限定のランチメニューから、日替わり定食をお願いしました。この日のメインは「アジフライ」。魚屋を営む高松さんの父、3代目の目利きで仕入れた長崎・松浦のアジです。松浦といえばアジの漁獲量日本一で「アジフライの聖地」としても知られた名産地とあって期待も高まります。

取材日の汁物は、千代田蔵や菊正宗など、常連の酒屋さんがおすそ分けしてくれた灘五郷の酒粕を使った「かす汁」。ひと口すすると、かつおだしの良い香りとほんのり酒粕の味がします。ごろっと大きめの鮭や大根、人参などが入って具沢山！

自家製タルタルソースととんかつソースの2種類で楽しめる

アジフライはしっかり半身分を使っています。揚げたてを頬張ると、ザクっとした揚げ衣に身がホクホク♪玉ねぎやピクルスが効いたクリーミーな自家製タルタルソースがよく合い、ご飯が進みます。ご飯はおかわりOK。

取材日の副菜は「菜の花の辛子和え」と「サツマイモのポテサラ」、大根の漬物もついていました。

ここでもう1品、インスタグラムで気になっていた一品料理の「麻婆カレー麵」もお願いしました。早速にんにくの良い香りがしてきます。バーテンダー時代に料理経験もある高松さんは、創作料理が得意。色々な場所を食べ歩き、インスピレーションを受けるたびにメニューも増えるそう。

麻婆豆腐を作る要領でミンチの代わりに自家製のキーマカレーを投入。クミンやコリアンダー、シナモン、カスリメティなどスパイスを豊富に使って仕込んだキーマカレーはこれだけでも美味しそう！

「麻婆カレー麺」1,100円（税込）

熱々の麻婆カレー麺が完成！四川風麻婆にカレーの風味も負けていない最強コラボです。豆板醤や甜麺醤、唐辛子、山椒が効いてしっかり辛い！

とろみの強い熱々の麻婆カレーがしっかり絡んだたまご麺をすすり、豆腐をハフハフ、だんだん汗ばんできます。

手書きのメニューの中から人気が出ると定番メニューに昇格するんだそう

メニューは魚料理から韓国風、中華、パスタに玉子サンドまで、ジャンルも種類も豊富。灘五郷を中心とした日本酒もそろうので、土日祝は昼飲みも◎。

居酒屋を切り盛りする4代目高松寛彰さん

3月下旬より、市場の新鮮な魚を刺身で、焼きで、煮魚でたっぷり7種も堪能できる「高松商店定食」（1,800円・税込）がランチに加わる予定。高松さんは「この値段で食べられるの？」と驚かせたいと話していました。