和菓子のメッセージを知って季節と向き合うひととき
岡本の『日本茶カフェ 一日 ひとひ』で「和菓子と日本茶」に癒されてきました 神戸市
阪急岡本駅・JR摂津本山駅からともに徒歩5分ほど。阪神間では数少ない「日本茶カフェ 一日 ひとひ」(神戸市東灘区)に行ってきました。
“人と接する場をつくりたい”。そんな思いで、店主の遠城さんが脱サラ後2005年にオープン。日本人にとって身近な存在でありながら、外で飲む機会の少ない「日本茶」に着目し、個性あふれる茶葉が約10種そろっています。
日本茶に合わせたい和菓子は「汐音屋(しおねや)」の屋号で上生菓子を作っている山崎さんが、店内で餡を炊くところから手掛けています。和菓子屋での修行経験はないものの今も京都で学び続けているそうです。
訪れたときの和菓子は春風を意味する「東風(こち)」。セットにはしおりが添えられていて、和菓子に込められたメッセージや山崎さんの友人の俳句を読むことができます。意味を知り、目で楽しみ、風味を感じ、五感で和菓子を味わいます。
立春の頃、東風にほころぶ梅の花を、山の芋をつなぎに使った薯蕷練切(じょうよねりきり)で仕上げています。ふわっと甘い風味やなめらかな食感が特徴で、今回は中に稀少な丹波の白小豆の粒餡が包まれていました。
梅とともに春の訪れを告げるうぐいすのお干菓子も添えられていて、だんだん暖かくなっていく春の日差しが感じられました。
和菓子は、旧暦の「二十四節気(にじゅうしせっき)」に合わせて半月ごとに変わり、その度に訪れるお客さんも多いそう。 2月19日からは立春の次の節気「雨水(うすい)」のお菓子が登場します。
セットの日本茶は10種類から選択可能。この日は「ちらん茶(深蒸し茶/鹿児島)」をおすすめしてもらいました。一般的な煎茶より長く蒸すことで、まったりとした甘みや旨みがじんわりと身体に染み渡ります。
日本茶は一煎目に香り、二煎目に甘み、三煎目に苦みや渋みと、3杯いただくことでその奥深さを知ることができます。少しずつ変わる風味の違いを感じてみてくださいね。
そのほか「さやまかおり(煎茶/静岡)」や「加賀棒茶(かがぼうちゃ、焙じ茶/金沢)」「かぶせ茶(冠茶/宇治)」など、埼玉・静岡・宇治・滋賀・九州から個性が分かりやすい茶葉をセレクト。
最近ではカフェインレスの「赤ちゃん番茶(番茶/滋賀)」も入荷したそうです。
日本茶アドバイザーの資格を持つ遠城さんによる「日本茶セミナー」も定期的に開催しています。詳細は同店のブログで確認を。
店内の東西南北の窓から光が差し込み、奥にはひとりでも外の風景を眺めながら静かに過ごせるカウンター席も。白い壁には不定期で作家の作品が飾られ、その展示品によって雰囲気が変わるのもおもしろいところです。
創業から変わらぬ味で届ける「お茶漬けをどうぞ」や、通年かき氷も提供。マニアも飽きさせない年間50種のレパートリーで、冷たいかき氷×温かい日本茶コンビを楽しむのもいいかもしれませんね!
詳細情報
- 店舗
- 日本茶カフェ一日 ひとひ
(神戸市東灘区本山北町3-6-10 メープル岡本2F)
GoogleMapsで探す - 営業時間
- 11:30~18:00
- 定休日
- 【夏季】月曜、【夏季以外】毎月最終月曜
※営業日の案内はこちらから - TEL
- 078-453-3637
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