関西の某有名ホテル支配人に教えてもらった、極上の紅茶が頂ける『紅茶の店 ARIEL』（神戸市西区）に行ってきました。

1981年創業の紅茶専門店

お店は大蔵谷I.C.を降りてすぐの場所にあり、レンガと蔦が印象的な趣のある外観をしています。

カウンターで店主から奥深い紅茶の話を聞くのも良し、窓際の席で本を片手にゆったり過ごすのも良し

店内に入ると、スーツスタイルの決まった店主の渡邊さんが笑顔で出迎えてくれました。イギリスのパブをイメージして、店主自らこだわってデザインしたという店内は、雰囲気のある居心地の良い空間が広がります。地域の方に愛されて、今年で43年目を迎えるそうです。

香り高いキームン（左）とコクと甘みを感じるアッサム（右）、20分蒸らす事で香りも味も最高になる

まずは、紅茶の原点とも言われる「キームン」と「アッサム」の紅茶をいただきました。深い真紅色が美しい「キームン」を口に含むと、香り高く柔らかなコクがあります。続いて頂いた「アッサム」は濃厚なコクの中にも、ほのかな甘みを感じます。どちらも筆者が来る前に、20分間蒸らして用意してくれていたそうで、エグ味がまったくない味わいにとても驚きました。

なんでも、一般的に知られている5分ほどの蒸らし（1杯目）は香りを楽しむ一杯だそうで、更に20分蒸らしたもの（いわゆる2杯目）が、最も紅茶の味が楽しめるのだとか。紅茶の奥深さを改めて思い知らされました。

「紅茶は生き物」と語る渡邊さん、美味しい紅茶にはきちんとした理論があるんだそう

そんな美味しい紅茶を楽しみながら、渡邊さんによる紅茶談義に耳を傾けます♪

紅茶の講師経験も豊富な渡邊さんの講義は奥深くて楽しい

美味しい紅茶を淹れるためには “ポットの中の茶葉の対流” がとても重要で、茶葉の量、お湯の温度や量、ポットの温め方など、すべてにおいて正解があるのだそう。だからこそ、一度正しい淹れ方を覚えてしまえば、カテキンとカフェインの渋みがコクや甘みに変化し、いくら時間を置いてもエグ味の出ない美味しい紅茶が飲めるようになるそうです。

一番人気のクリームティー（一般的にクリームとジャムが添えられており、クリームティーと呼ばれています）

続いて、人気の「クリームティー」をいただきました。クリームティーとは、英国のアフタヌーンティーの一種で、紅茶とスコーンのセットです。

口溶けの良い焼きたてスコーン

美味しく焼き上げられた印である、『狼の口』と形容される横に割れ目の入った美しいスコーンです。外側はカリッとサクッと、中はしっとりで、口の中でホロホロと溶けていきます。

濃厚なクリームと、スッキリとしたいちごジャムはスコーンとの相性抜群

添えられたクリームは47％の濃厚な生クリームを硬めに泡立てており、甘さ控え目のいちごジャムと共にスコーンにつけて頂くと全てがマッチして、顔がにんまりとにやけてくるほどの美味しさ。それを極上の紅茶が喉をすっと潤し、何ともいえない至福のひと時です。

三大銘茶のウバ

更に三大銘茶と呼ばれる「ダージリン」、「キームン」と並ぶ「ウバ」も淹れていただき、その爽やかな香りとキレを味わいました。お茶はポットでサーブされるので、たっぷり楽しめます♪

学生の頃に、神戸の紅茶の名店ムジカさんに通い詰め、そこで働きながら紅茶を勉強した店主の渡邊さん。７年後には自分の店を開くとの目標通り有言実行したそう。以来、研究熱心で、より美味しい紅茶を提供できるように、常に知識をブラッシュアップしながら渡邊さん自身も楽しまれている様子が、長年お客さんを惹きつける魅力ではないでしょうか。