急須で淹れた日本茶でゆる～りと

花隈『日本茶カフェやわやわ』実食レポ　神戸市中央区

掲載日:2022/2/17

日本茶の魅力とお茶のおいしさを伝えたいと中尾英樹さん直美さんご夫婦で営まれている「日本茶カフェやわやわ」に訪ねました。日本茶アドバイザーの資格を持ち、日本茶本来の味わいと楽しみ方を、急須で丁寧に注いだ一杯から伝えてくれます。

日本茶を楽しむというと、敷居が高そうって感じるかも。ところがここは、玄関先のメニュー看板が目印となっている普通のおうちです。はじめての来店時は、ほとんどの人が「ん？」と戸惑うらしく、一度訪ねると次からは「ただいま」な気分になれるそう。年齢層も幅広く男性客にも人気となっています。
欄間がお洒落に存在する和と洋の空間。懐かしいものがいっぱい
靴を脱いで階段を上がると、和と洋がうまく溶け込んだ堅苦しくない畳の席に、懐かしさ漂う調度品の数々。陽の光がやさしく注ぐ「普段の延長」を感じる空間に癒されます。
「特製甘味と好きな飲み物のセット」1,000円～（税込）選ぶお茶により値段は変わります
お得な「特製甘味と好きな飲み物のセット」は、自分好みに選択可能。「かぶせ茶」と「抹茶みるくぜんざい」の組み合わせで楽しみました。飲み物は煎茶、深蒸し煎茶、プラス料金で玉露、限定茶、抹茶などもセットできます。
濃厚な甘さに出合える一煎目。本日のプチ甘味は、うさぎの練り切り
特製甘味は、シフォンケーキや抹茶パンケーキ、季節限定の味なども選べますよ。小皿には、自家製プチ甘味も添えられて、かわいくて思わず微笑んでしまいます。甘味は手作りなので品切れの場合もあります。
二煎目は甘さと苦みを感じて
日本茶の一煎目は、ぬるめでほん少しの量を「ふうっと」味わいます。驚くほど甘くてまろやか。二煎目は大きめなお茶碗に変わり、温かく甘みと苦みを「ほっと」堪能。一煎目とは違うさらりとした飲み心地です。三煎目は、熱めで「すっきりと」。
熱めですっきりの三煎目では、机の空間を楽しめるよう小さめのお盆に、そっと入れ替わる心くばりも
淹れるたびに様々に変化する味わいに、思わず日本茶再発見！って気分になるかも。お茶を急須で淹れる大切さも、おいしさの秘訣だと改めて感じますね。
次の一杯をお願いする鈴の音が響くのも風流な一コマ
お茶は一杯ごと飲み終わると、手元の鈴を鳴らして次のお茶をお願いするスタイル。丁度良い温度とタイミングで店主が急須からお茶椀に注ぎ、次の一杯が運ばれてきます。これはお茶をおいしく味わう「やわやわ流こだわり」のひとつです。
ふわふわでまろやかな口当たりが新感覚
きめ細やかなふんわり「抹茶みるくぜんざい」は、口に入れた感覚を忘れてしまうほどやさしい口どけ。じっくりと煮た小豆も甘さ控えめで、食べやすい小さめな焼き餅にも、作り手の心遣いが感じられます。
「やわやわ」は、富山県の方言で「ゆっくり」と
日本茶2種とお菓子付きの「お茶飲み比べセット」1,200円（税込）、「日替わりぷりんセット」1,000円～（税込）などほかにもメニューは満載です。平日の朝９時から11時限定の「朝茶（モーニング）」400円～（税込）は、飲み物を注文するとミニシフォンケーキかミニパンケーキが付いてきます。
ゆっくりほっこりな雰囲気があふれている中尾さんご夫婦
富山県出身の直美さんが名付けた店名「やわやわ」は、富山県の方言で「ゆっくり」の意味だそうです。心地よい音楽が流れ、時折店内に響く時計の音も癒しのアイテムに。おうちカフェでのひとときは、デジタルなものをそっとカバンに眠らせて、静けさとゆるい時間を贅沢に楽しみたいですね。
やわらかな陽ざしで兎鈴とゆる～り影遊び
「普通という特別感」に、ほっこり包まれて時間を忘れてしまいそうですが、滞在時間は２時間を目安に。「やわやわ」しすぎはご注意を (笑）。