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映画『風の電話』よりモトーラ世理奈、諏訪敦彦監督にインタビュー

岩手県大槌町の小高い丘の上に実在する「風の電話」。2011年3月11日の東日本大震災以降、亡くなった人に想いを伝えるため3万人以上もの人が訪れ、“天国に繋がる電話”として様々なメディアで報じられた。本作は、この「風の電話」をモチーフに、震災で家族を失った高校生のハルが、伯母と暮らす広島から、故郷の岩手を目指して旅をする物語が描かれる。主人公・ハルを演じるのは、アンニュイな雰囲気と圧倒的な存在感で注目を集めるモトーラ世理奈さん。現場の空気感を切り取り、ドキュメンタリーのように俳優たちを映し出す諏訪(すわ)敦彦監督が、悲しみを抱え生きる人々に静かに寄り添う映画を生み出した。

周りを感じながらお芝居をする
このやり方だったらやってみたい

―ハル役を決めるオーディションで「彼女しかいない」と、モトーラ世理奈さんが抜擢されたそうですね。
モトーラ 台本を読むのも辛いほど話の内容的に、私にはできないと思って、最初はやりたくなくて…しょうがない、行くしかないという感じでした。1回目のオーディションで思うようにできなかったんですけど、2回目にも呼んでいただき「もしかしたら私のことをちょっとでも良いと思ってくれたのかな」と、そこから「やってみよう」って気持ちになれました。

監督 2回目のオーディションの時は即興で演技をしてもらったんです。その時は知らなかったんですけど、即興をやったのは初めてだったんだよね?

モトーラ 即興芝居をやった時に、今までやってきたお芝居とはちょっと違って。感覚で役に入り込めたというか、周りの状況を感じながらお芝居をすることができた気がして、「このやり方だったらやってみたいな」と思いました。

―本作でも、俳優に演技やセリフを委ねる方法で撮影されたと聞きました。
監督 お芝居はその場で感じたことを含めてどうリアクションしていくかが大事で、それができなきゃダメだと思うんだよね。セリフがあれば、それができていなくても何となくできているように感じる。でも、即興の場合は周りをちゃんと感じていないと何もリアクションができない。誰かに与えられた言葉を自分に当てはめていくのもいいけど、僕は人物・場所・状況だけを伝えて、それに対して役者がそれぞれの視点から演じ、そのシーンができていくものであって欲しいと思っています。音楽でセッションした時に皆が「今の良かったね」「なんか違うかったね」となる感覚と一緒で、何が悪いというわけではなく、皆の感覚で「もう1回やってみよう」と思えば撮り直していました。ある部分だけとか、このセリフだけを改善しようとすると「もっと上手くやろう」という思いが入って気持ちが切り替わってしまうので、そういった指摘はしないようにしています。

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―モトーラさんは実際に撮影してみて、いかがでしたか?
モトーラ 私はその撮り方が好きでした。今までよりもじっくりできるというか、そういうやり方だったからスタッフも含め皆でそのシーンごとにすごく集中している感じがしました。

監督 モトーラさんがどう演じるかを悩んでいた時に「このセリフは最後のシーンで言いたいから、ここでは言いたくない」とか、その場その場で直感的にやるのではなく、映画全体のこと、先のことを考えて演じていて驚きました。僕はその場のことしか考えていなかったので、それを聞いてちょっと反省しましたね(笑)。その時々に感じたことを少し書き足した新しい台本を毎朝渡して、それを見ながらやってもらっていたのですが、このやり方だと事前にセリフ覚えたり、準備しなくていいっていうね(笑)。撮影の前日とか、何かやってました?

モトーラ …寝ていました(笑)。地方ロケだったので撮影が終わったらスタッフの皆さんと一緒にご飯を食べにいって、今日の撮影や映画についてお話しをして。私が知らないことをたくさん聞けて面白かったです。監督、スタッフと皆で映画を作っている感じが楽しくて、「また明日も頑張ろう」と思えました。

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私もハルと同じように
出会った人から想いを受け取って

前に進んでいるような気持ち

―当初は、被災した若者が「風の電話」の存在を知って大槌町に向かう物語でしたが、故郷に帰ることに意味があるという監督の意向で、ロードムービーのような物語に変更。ハルとして旅をしていく上で、気持ちの変化など感じるものはありましたか?
モトーラ いろんな人に出会って、それぞれの「生きろ」というメッセージを受け取りながら故郷に帰る中で、ちょっとずつ元のハルを取り戻していく感覚がありました。出会いがあれば別れもあるから、別れる時は毎回寂しくて…。私もハルと同じように出会った人からの想いを受け取って、前に進んでいるような気持ちでした。

―ハルが出会う人たちとして、西島秀俊さん、西田敏行さん、三浦友和さんら豪華俳優陣が出演されていますね。
モトーラ 今振り返ってみると、一番共演したシーンが長かった西島さんとさえ撮影現場でお話しした記憶がほとんどなくて。取材で西島さんも私と「話す必要がないと思った」と言ってました。撮影の合間もハルと森尾(西島さんの役)の距離感でいました。

監督 僕から見ても、モトーラさんは撮影初日からハルとして現場に居て。ハルをどう演じようかというより「私ならどうするか」を考えて、モトーラさん自身がハルとして存在していました。西島さんも、撮影前にわざわざ話すことはないと判断したんでしょうね。モトーラさん本人は淡々としていましたが(笑)、皆が彼女の演技に注目して「この人すごいな」と感心していました。打ち上げの時に西田さんも絶賛していましたし、三浦さんも「久しぶりに映画女優をみた」と言われていましたね。

モトーラ (少し照れながら)嬉しいです…。

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