池澤夏樹さんが講演、生誕130年を祝う

谷崎潤一郎 生誕祭『残月祭』　芦屋市

　「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」などの著者・谷崎潤一郎（1886～1965年）の生誕を祝う催し『残月祭』が、7月24日に芦屋ルナ・ホール（芦屋市業平町）で開かれる。同行事は1987年から毎年谷崎の誕生日に開催され、今年で30回目となる。

　今回は作家・池澤夏樹さんを招き、「『乱菊物語』の痛快な世界～谷崎の歴史エンターテインメントを読む～」と題した講演が行われる。池澤さんは、88年に「スティル・ライフ」で芥川賞、93年に「マシアス・ギリの失脚」で谷崎賞など、数多くの受賞歴を持つ。また、「池澤夏樹＝個人編集 日本文学全集」の「谷崎潤一郎」巻に、講演の題材となる歴史冒険絵巻「乱菊物語」を収録。未完のためあまり知られていない同作だが、室町時代の瀬戸内海を舞台に海賊や遊女らが入り乱れ、物語のおもしろさに溢れているという。谷崎文学が持つ物語性や魅力について語り、谷崎の生誕130年を祝う。

　当日は会場で池澤さんの著書が販売され、購入者を対象にサイン会も行われる。

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