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国宝『土左日記』など 墨の芸術に親しんで
秋季特別展『書の名品選』 川西市
平安時代の歌人・紀貫之が手がけた日本初の日記文学『土左日記』の古写本が限定公開されるなど、広く注目を集める秋季特別展『書の名品選』が現在、大阪青山歴史文学博物館(川西市長尾町)で行われている。12月6日まで。
日本の文字は、そのものが墨の芸術として鑑賞の対象とされ、優美な装飾料紙と相まって独自の美の世界を形成してきた。同展では、大阪青山学園が昭和42(1967)年の開学以来、収集に努めてきた5000件を越える同館収蔵品のうち、古写経・歌集をはじめとする古筆や名家の書状などを紹介する。
11月17日からの期間限定公開となる『土左日記』は、紀貫之が女性に仮託して仮名文で書いた日本最初の旅日記。貫之の自筆原本を鎌倉時代の歌人・藤原為家が嘉禎2年(1236)年に忠実に写したもので、原本が存在しない今、その面影を伝えた最古の写本として国宝に指定されている。
今回初公開される重要美術品「貫之集断簡(石山切)」は、もとは皇室に伝わり、後に西本願寺(京都市下京区)に伝来した平安時代の歌集「三十六人集」の内の「貫之集下」の一丁で、近年同館に寄贈されたばかり。また、鎌倉時代の歌人・藤原定家が生涯にわたって書き続けた日記「明月記」の内の重要文化財1巻も展示。正治2(1200)年の秋、定家が後鳥羽上皇に認められ、歌人として活躍を始める時期の様子が、後に「定家様(ていかよう)」と呼ばれる独特の書風で書かれている。
その他、歴代天皇の中でも特に能書家として著名な伏見天皇が、「古今和歌集」や「源氏物語」から和歌を数首抜き書きした「伏見天皇筆和歌巻」など、選りすぐりの逸品を見ることができる。
詳細情報
- 開催期間
- 開催中~12月6日(日)
※『土左日記』は11月17日(火)~12月6日(日)の期間限定公開 - 時間
- 10:00~17:00
※入場は閉館の30分前まで - 場所
- 大阪青山歴史文学博物館(川西市長尾町10-1)
- アクセス
- 能勢電鉄「一の鳥居駅」下車すぐ(お城の建物)
- 休館日
- 月曜日(11月23日は開館、翌日休館)
- 観覧料
- 一般600円、65歳以上500円、大学生400円、高校生300円 、中学生以下無料
- 問い合わせ
- 大阪青山歴史文学博物館
TEL 072-790-3535