“火振り”で厄除け　出石で伝統の火祭り神事

『愛宕（あたご）火祭り』　豊岡市

　江戸時代に出石藩唯一の火の神・厄払いの神として勧請され、信仰を集めてきた愛宕神社の祭礼を引き継ぐ『愛宕（あたご）火祭り』が8月23日、伊福部神社周辺（豊岡市出石町）で行われる。

　厄除けや無病息災などを願う“火振り”で知られるこの祭礼は、江戸時代には旧暦の7月24日に行われていたという。戦後に中断されていたのを1979（昭和54）年、地元有志が火振りの習わしや各地区に伝わる太鼓をはじめとした伝統行事を集めた故郷の祭りとして復活させた。現在では「愛宕火祭り奉賛会」が守っており、毎年8月24日ごろに行われている。

　当日は愛宕神社で行われる神事や学用品のバザーなどが行われる午前の部と、景品付き餅まきや「出石太鼓 炎」による和太鼓演奏、「神楽 浦安の舞」などが繰り広げられる午後の部がある。メインの火振りが行われるのは夜の部で、荒縄で束ねた小麦わらに愛宕神社で起こされた火をつけ頭上で豪快に回す。火振りは奉賛会メンバーによる模擬演技に続き、一般来場者の参加も可能となっており、それぞれが厄除けと無病息災を願う。

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