重さ4トンの菖蒲綱で綱引き 伝統の『湯村温泉祭り』

　6月7日に美方郡新温泉町湯地区で、700年以上前から続く伝統行事『湯村温泉祭り』が今年も開催される。『湯村温泉祭り』は、湯村温泉を発見した慈覚大師（じかくたいし）への感謝と、子どもたちの健やかな成長を祈願し、毎年6月の第1日曜日に行われている伝統の祭り。新温泉町湯地区内各地で様々な催しが行われ、夢千代像から繁栄橋までの路上には出店が建ち並ぶ。

　中でもこの祭りの名物と言われるのが「菖蒲綱引き（しょうぶつなひき）」。地元住民が総出で作った、長さ100メートル、直径50〜60センチ、重さ4トンの巨大な菖蒲綱を引いて勝運を占う。綱引きで使用される菖蒲綱は祭りの前日である6月6日午前10時から温泉小学校校庭で作成される。綱引き本番と綱作りは、観光客など、誰でも参加することが可能。地元住民と多くの観光客が一丸となり、祭りを盛り上げる。

　そのほか、「稚児行列」や「子ども樽みこし」、ステージでのバンド演奏や歌謡ショー、湯区内の指定商店や事務所を巡って点数を集める「商店事務所巡り得点競争」など多くの催しが企画されている。また、午後2時からは「菖蒲酒（しょうぶざけ）鏡開き」が行われ、菖蒲の葉を浸したお酒である菖蒲酒が見物客に振る舞われる。菖蒲は古来から邪気を払って疫病を除く、縁起のいい植物とされており、その爽やかな香りのお酒は見物客に好評を博している。

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