六甲高山植物園（神戸市灘区）では、優しい香りで梅雨を彩る「コアジサイ」の花が見ごろを迎えています。

コアジサイは、関東地方以西の本州、四国、九州に自生しており、ここ六甲山にも自生する野生のアジサイ。他のアジサイと違い、花に芳香があり、見た目だけでなく香りでも来園者を楽しませてくれるそう。

別名・シバアジサイと呼ばれるこの植物は、高さは1～1.5mになる落葉低木で、花は5弁の細かい両性花だけが集まって咲き、ガクアジサイなどに見られる大きな飾り花を持たないのが特徴です。

甘い香りを放ち、花粉を運んでくれる昆虫を誘います。花色は薄い青紫色ですが、おしべが長く花の外に出るため、やや色調が和らげられ、落ち着いた風情を見せてくれます。

なお、同園のコアジサイは6月下旬まで楽しめる見込みだそう。「街中では出会えない、山の植物園ならではのお花です。その優しい姿と香りに癒されに来てくださいね」と担当者は来場を呼びかけています。