神戸市東灘区の『神戸ファッション美術館』で4月13日より、特別展「アニメーション美術の創造者　新・山本二三展 THE MEMORIAL」が開催されます。期間は6月16日まで。

開催されるのは日本のアニメ界を代表する美術監督として知られる、山本二三（やまもと・にぞう）氏に関する企画展。昨年8月にこの世を去った山本氏の偉業をたたえます。

天空の城ラピュタ《荒廃したラピュタ》1986年 Ⓒ 1986 Studio Ghibli

山本氏はこれまで『天空の城ラピュタ』『火垂るの墓』『もののけ姫』など国民的アニメーション映画で美術監督を務め、その確かな画面構成と細部の精緻な描き込みで、空想上の異世界から現実の生活空間、自然の風景にいたるまで幅広い表現を描き分け、アニメーションの映像美を高めました。

火垂るの墓《裏通り》1988年 Ⓒ 野坂昭如／新潮社，1988

会場では名作映画の手描きの背景画やイメージボード、美術設定のほか、亡くなる直前まで描いていた漫画「勘次ヶ城（かんじがしろ) 」に関する展示など約250点を紹介。特に山本氏が手掛けた『火垂るの墓』は神戸が舞台となっており、それらの縁から特別に展示される作品もあるのだとか。

《文月の神戸》2016年 Ⓒ 山本二三／絵映舎

山本二三にとって縁の深い神戸で、故高畑勲･宮﨑駿の両監督を支え、日本のアニメーションを世界に誇る文化へと押し上げた詩情溢れる背景美術の傑作が楽しめます。