老舗名店が守る至極のグラタンとビフカツサンドの味
三宮の『欧風料理もん』に行ってきました 神戸市
三宮・生田神社のすぐそばにある、今年で創業88年を迎える老舗洋食店『欧風料理もん』に行ってきました。たくさんの文化人に愛されてきた、神戸の中でも歴史ある名店です。
少し奥まった入口の重厚なドアを開けると、右側に大きなカウンター、左側にテーブルが並んでいます。午後3時を過ぎているにもかかわらず、店内には食事を楽しむ複数の人の姿が見られました。
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出迎えてくれたのは4代目のマダム。2階に案内され、広くゆったりとしたテーブル席でメニュー表を眺めながら思案していると、「女性の方にはグラタンも人気ですよ」とのこと。この日は外が寒かったこともあり、即決でいただくことに。
待つこと15分、料理を運んできてくれたのは若き店主である日笠公太さん。創業者であるひいおじいさまから数えて5代目で、幼い頃からホールの手伝いをし、大学に入ってからは厨房に入って本格的に修行を始めたそう。
秘伝の味を保つため、昔からの作り方を一切変えていないという「グラタン」は、ニンジンや玉ねぎなどの野菜を細かく刻みバターで炒め、小麦粉、牛乳を合わせてじっくりと煮込んだホワイトソースを、さらにていねいにこして仕上げることから始まるのだとか。
さっそく一口いただくと、野菜の強い甘味と旨味がしっかりと感じられます。が、その野菜たちはソースに溶け込んでいるため姿形は存在せず、とろりとなめらかな舌触りの良さだけが口中に残ることに驚かされます。
そこに海老とマカロニとマッシュルームがごろっと入っており、それぞれの食感と香りを楽しめ、夢中で食べ進めてしまいます。表面のチーズはこんがりと焦がされ、ほろ苦さがまろやかなソースのアクセントとなり、さらに美味しい。
実は、今回気になるメニューがもうひとつ。それは友人から噂を聞いていた「ビフカツサンド」で、今回、お土産としてそちらもいただきます。
2種類のパン粉を独自にブレンドし、菜種油でからりと揚げられたビフカツは、神戸牛の希少部位”フィレ”を使用。口に入れた瞬間にとろける肉質は、"歯がいらない"という表現があてはまる柔らかさで、すぐさま肉の旨味がじゅわっと広がります。
ふんわりとした柔らかなパンはイスズベーカリーの食パン「GOLD」を使用しており、バターとマスタードを塗り、自家製のケチャップにくぐらせたビフカツとの相性も抜群です。翌朝に軽くトーストして食べるのもおススメだとか。
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「創業時からのレシピを変えずに守り続けるのが役割であり、使命だと考えています」と話す公太さん。若き5代目によって受け継がれる「もん」では、何年先に訪れても変わらない美味しさに出会えそうです。