神戸市兵庫区の『県立兵庫津ミュージアム』では現在、企画展「ひょうごの匠展ー来て・見て・感じて ひょうごフィールドパビリオンー」を開催中です。11月23日、その目玉企画となる全長約5.5ｍの「金物鷲」が「ひょうごはじまり館」のエントランスに登場！11月26日に行われた完成披露イベントを取材してきましたよ～！

午前10時半。エントランスに入ると目に飛び込んできたのは「鷲」の大きなオブジェ。よ～く見ると…羽の一つ一つや足の爪などが大きな刃物で出来ています。

今回展示されることになった「金物鷲」は、金物の街として知られる三木市の「三木金物」を使用したもので、普段は三木市の道の駅に展示されているのだとか。

開催中の展覧会が県内の職人の技に注目し、ひょうご五国の風土とともに地場産品・工芸品などを紹介する内容であることから、金物鷲の展示が決まりました。

この日は金物鷲を手掛けた職人の方が実際に施設を訪れ、金物の歴史や鷲の製作過程などを説明。なんとこの鷲、職人20数名が6時間ほどで制作したとのことですが、合わせて約3,300本もの刃物が使用されているのだそう。

そのほか灘区の「鬼塚太鼓」による演奏や書作家・小阪美鈴さんによる書道パフォーマンスなども行われ、晴れやかな雰囲気となりました（鷲もなんだか嬉しそうです…！）

オブジェは土台となる部分に刃物を突き刺す形で完成していくのですが、土台となる素材はなんとわらで出来ており、刃物を刺してから時間がたつと少しずつもろくなっていくのだとか。そのためこの鷲は2週間から1カ月ほどの期間しか展示ができず、今回の展示も12月10日まで。

ダイナミックな見た目ですがなんとも繊細で貴重なオブジェ。展示最終日の12月10日16時ごろからは、その解体作業が見られるということなので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか？

また2階では展覧会を開催中で、ひょうご五国の職人たちの技を作品や動画で学ぶことができます。「県内でこんなものを作っているところがあったの？」という驚きの連続で、ついつい見入ってしまいます。

特に驚いたのはこちら！新温泉町で制作されているという「レコード針」です。手掛ける会社は当初「ふとん針」を製造していたそうなのですが、時代の移り変わりと共に需要が減り、戦後まもなく「レコード針」の製造を始めたそう。現在も愛好家からの熱い支持をうけているんだそうです。

会場では実際に4種類の針でレコードの聴き比べも可能！レコードを持参してこの場で聴き比べることもできるので、お気に入りの1枚を持ち込むのもいいかも。

まだまだ知らないことも多い県内各地の魅力や歴史。展示を通じてさらに兵庫の良さを知ることができそうです。