寿司や天ぷらが人気!神戸の名店に選ばれた老舗の味
湊川の『江戸家食堂』に行ってきました 神戸市
神戸市兵庫区湊川にある『江戸家食堂』に行ってきました。今年5月に「神戸名店百選」に選ばれた和食屋さんです。
今回のお目当ては「刺身天ぷら定食」。新鮮な魚と、からりとあがった天ぷらが両方楽しめるこのセットは地元でも評判で、同店でも一番人気のメニューなのだとか。
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お店の歴史は古く、店主の沖久彦さんは三代目。戦後すぐに三宮でおじいさまが創業し、約50年前に今の場所に移転。お父様が代を継いだ後に久彦さんに譲られ、18年前から暖簾を守っています。
まずは温かいうちに海老の天ぷらをひとくち。見た目を裏切らないさくさく感に、弾力を感じる身質を噛めば旨味が追っかけてきます。カラッと揚がっていますが、ふんわりと柔らかな衣が口中に優しく響き、まさにカリッ、サクッ、フワッの食感。
次に刺身を。魚は切り方で味が変わるといわれますが、どの刺身も断面が美しく、熟練の包丁使いの技が感じられます。まずは手前のマグロからいただくと、その美味しさに悶絶。ねっとりとしながら多少のざらつきを舌の上で感じ、いつも食べている赤身とどこか違う。訊けば生のマグロを仕入れているのだそう。
「毎朝、東山市場で仕入れますが、魚の種類によって数件とお付き合いしています。それぞれのお店で一番おいしいと思う魚を集めています」とのこと。旬の魚5種盛りが用意され、この日は他にタイとシマアジ、明石のタコに、ノルウェーのサーモンが並びました。
タイなどの白身は、天然ではなく移動時間の少ない近場で水揚げした養殖ものをあえて選ぶそうで、「グルタミン酸と歯ごたえの兼ね合いが大事。いかってるし旨味も出はじめる」状態の美味しさを提供するためだとか。京都や大阪の割烹や懐石料理店で10年以上の修業経験もあることから、食材と真摯に向き合う姿勢が窺われます。
そして、このお店の特長は出汁。定食についてくるお味噌汁を「なんだか懐かしい味がする」と喜ぶ年配の方も多いそうで、化学調味料などを使わず昆布とカツオのみでひくシンプルかつ凝縮された味は、代々守ってこられた秘伝のものだとか。
「実は家ではインスタント味噌汁ですませることもあるのですが、この出汁で育てたせいか子供は舌がピリピリするという。私はなんともないんですけど」と笑いながら話す沖さん。
「旬のものを旬の時期に、体に負担のないものを食べてほしい。そのために当たり前のことをしているだけですよ」との言葉に、このお店の料理を毎日食べに来る人が多いことにも納得。
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「美味しい和食が食べたくなったら、ちょっと入りにくいと思うけど(笑)勇気を出して暖簾をくぐってみて」とのこと。昭和の時代から受け継がれてきたレトロな店内の雰囲気も、沖さんの丁寧な料理をより美味しくしているように思いました。
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