アーティスト・イン・レジデンス神戸（AiRK）がプロデュースする初のリサーチプロジェクト「北野光遊浴 KITANO Optical Wave Bathing」が、11月4日から26日にかけて開催されます。

現代美術家の久保田沙耶（くぼた さや）さんを招聘し、神戸・北野エリアに存在するギャラリーや店舗、モダン建築を巻き込んだ「まちなか展覧会」を実施。キュレーターを務めるのは、AiRKの森山未來さん。

六甲山の反射する光を受けながら真珠の加工業が栄えた北野のまちを人々が治癒を求めて訪れる “浴場” に見立てた久保田さんの作品が、街のあちこちに出現し、現代社会に生きる私たちに作品鑑賞を通じた “治癒” という行為を促します。

久保田 沙耶　photo by 五十嵐絢也

久保田沙耶さんは、日々の何気ない光景や人との出会いによって生まれる記憶と言葉、それらを組み合わせることで生まれる新しいイメージやかたちを中心に、平面や立体作品、さらには独自の装置を用いたインスタレーションなど、様々なメディアを駆使しながら制作を続ける現代芸術家。

昨年AiRKで滞在制作した際に北野のまちに惚れ込み、今年より活動拠点を神戸に移されました。

メイン会場の『ローズガーデン』©きるけ。

会期中は安藤忠雄の初期作品である『ローズガーデン』や『リンズギャラリー』をはじめ、北野のまちなか約10か所で作品を発表予定。

AiRK 滞在時のリサーチ写真（2022）©Saya Kubota

作品展示のほかに様々なアートプログラムも予定しており、メイン会場の『ローズガーデン』では11月18日、19日に久保田さん、森山さん、xoriumによるパフォーマンスイベントを実施。

AiRK 滞在時のリサーチ写真（2022）©Saya Kubota

11月5日、23日にはゲストを招聘して行われる「トークセッション」が、11月12日、19日には案内人とともに展示作品を巡る「北野街歩きツアー」が行われます。

AiRK 滞在時のリサーチ写真（2022）©Saya Kubota

展覧会のチケットはパスポートをイメージした構成・装丁になっており、北野光遊浴を見る人の “処方” となるように、久保田さんのドローイングやエッセイなどが散りばめられているそうです。

※チケットはローズガーデンで購入できます。

AiRK運営メンバーの皆さん

＜キュレーターコメント＞

今回のプロジェクトは、アーティストとしての自分がこれから活動していく「場」としての神戸をどのように活性化させていくか、日々模索している中での活動の一環と捉えています。ヒト・モノ・コトと出会うことによって、それがバとなり、トキとなる。鑑賞者としてだけではなく、そんな「場」や「時」を生み出す当事者として、久保田沙耶さんが生み出す光の世界に足を運んでいただけたら幸いです。森山未來（Artist in Residence KOBE）