懐かしさと新しさの共存、守り続けられる優しい味
塩屋で愛される『Patisserie Peline(パティスリー ペリーヌ)』の洋菓子を味わいました 神戸市
昔ながらの街並みを残しつつ、新たな文化も共存する街「塩屋」。そんな塩屋の街で長年愛されている洋菓子店があります。『Patisserie Peline(パティスリー ペリーヌ)』(神戸市垂水区)。2018年に2代目に引き継がれた、創業40年の“街のケーキ屋さん”を取材しました。
塩屋駅を出て、懐かしい雰囲気の残る細い路地を通り抜けながら北にゆっくり歩いて約5分。川沿いから少し小道に入ったところにお店はあります。
昔ながらの“街のケーキ屋さん”の趣を残す内観に、どこか懐かしさを覚えます。
店主の三輪さんは2代目。初代であるお父さんの背中を見て育ち、小さな頃から後を継ぎたいと思っていたそうです。専門学校を卒業後さまざまな環境で経験を積み、2018年に奥様とともに同店を引き継ぎました。
余計なものは使わず、なるべく良い材料を選んで作られるという『ペリーヌ』のケーキは、優しい味で、地元で人気です。親子三世代で通う人もいて、中でも一番人気がこちらの「レモンケーキ」だそう。
キラリと光るゼリーの層に浮かぶフルーツが美しいババロアケーキ。ぷるんとしたゼリーとババロアはレモンの風味がして爽やかです。香料は加えず自然なレモンの香りなのだとか。スポンジケーキの層はふわりと柔らかく、優しい甘さです。
「誕生日にはペリーヌのレモンケーキ」と決めている人もいるほど定番でファンの多いケーキ。もはや同店の代名詞ともいえる逸品です。
「プラリネ」は、2代目である三輪さん作。見た目にもモダンな雰囲気が漂います。ねっとり濃厚だけれど食べ進めてもしつこくない。チョコレートとアーモンドの風味が贅沢で、口にすると幸せな気持ちになる“大人のチョコレートケーキ”です。
ふんわり軽くて柔らかい「ショコラ」。こちらはいわば“子どものチョコレートケーキ”。昭和っぽさの残る、昔ながらのチョコレートクリームケーキは小さな子どもにも食べやすく、行事に選ばれることも多いそうです。
同店のショーケースは、上段と下段とで雰囲気が異なります。1段目にホールケーキ、2段目には2代目作のモダンなケーキ、3段目には初代の作る懐かしいケーキが並びます。
「お子さんにも大人の方にも、みなさんに楽しんでいただきたいです」と、あえて異なるタイプのケーキを作りつづけているそうです。
さらに、年配の方も含めて多くの人に気軽にケーキを味わってほしいと、垂水区・須磨区には無料で配達もしてもらえるそう。「塩屋は坂が多いですからね」と、優しく微笑む三輪さん。
懐かしさと新しさの共存する洋菓子店には、塩屋の街に通ずるものがあります。古き良きものを大切にしながら、新たな文化も取り入れてゆく。時代に合わせた変化を遂げながら、変わらぬ優しい味は、きっとこれからも守り続けられると思います。訪れると、温かい気持ちになる“ケーキ屋さん”ですよ。
詳細情報
- 場所
- Patisserie Peline
(神戸市垂水区塩屋町3-14-25)
GoogleMapsで探す - 営業時間
- 9:00~21:00
- 定休日
- 木曜日・第2月曜日
- TEL
- 078-753-5872
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