阪急武庫之荘駅から北へ歩いて約3分のところに、「牛たんのフルコース」がいただける珍しいお店を見つけたので取材に行ってきました。

訪れたお店は『牛たん割烹 和吉』（尼崎市）。外観は高級料理店のようで少し緊張しながら暖簾をくぐると、気さくで物腰の柔らかい店主が出迎えてくださり、ほっと胸をなでおろしました（笑）。

お店は完全予約制で店内はカウンター席のみ。料理を食べながら店主とのおしゃべりを楽しんだり、カウンター越しから調理の様子や香りを真近で感じられより一層食事を楽しめる空間となっています。

今回コースの中から、人気の「ゆだたん」と「特選厚切り上たん焼き」の2品を試食させていただきました。

「ゆでたん」一人前600円（税込）※単品注文の場合

「ゆだたん」という名を初めて聞いた筆者は、どんな料理が出てくるのか不安半分期待半分の気持ちでいたのですが、一口食べた瞬間、あまりのおいしさに衝撃を受けました。実は店主も「ゆでたん」を初めて食べたときの感動が忘れられず、それがきっかけとなり同店を開いたそうです。

「ゆでたん」とは、圧力鍋を使用せず、牛たんから取った出汁で半日以上煮込んだもので、味付けは塩、胡椒とシンプルなもの。箸ですっと切れるほどのやわらかさで口に入れると牛タンの旨味を全て閉じ込めた肉汁があふれ出します。

今までおいしいと思ってきた牛たんはなんだったんだろうと思うほど、牛たんの本来の味を味わえる一品です。そのままでももちろんおいしいのですが、わさびをつけて食べるとまたピリッとした辛みが加わりお酒が進みそうな味わいに変化します。

「特選厚切り上たん焼き」2人前1600円（税込）※2023年11月現在の価格

次に、牛たんと言えば定番の「特選厚切り上たん焼き」を試食します。火が通りやすいように1つひとつに切り込みがいれてあり職人の技が光る一品。食べてみると、コリコリとした歯ごたえで、噛めば噛むほど牛たんのジューシーさを感じます。このままでもちろんおいしいのですが、店主に「卓上の七味をかけて食べてもおいしいですよ」と勧めてもらったので試しに食べてみることに。

同店に用意してあるのは"日本三大七味”と呼ばれる七味で、左から「京都・清水の七味家本舗」、「信州・善光寺の八幡屋礒五郎」、「東京・浅草のやげん堀」の3種類。

中身をだしてみると上記のような見た目で、一概に七味といっても使われている香辛料や味も全く違い驚きました。3種類ともおいしかったのですが、筆者の好みは写真の手前に写っている赤い蓋の「京都・清水の七味家本舗」です。山椒の香りを強く感じられ牛たんとの相性は抜群でした。

ほかにも、コースには、「牛たん角煮」や「タンシチュー」など牛たんを味わい尽くせるメニューがたくさんあるので、大切な方と贅沢なひと時を過ごしてみてくださいね♪