9月30日、蕎麦と本式の日本料理を味わう『酒蕎茶果 泥と蓮（しゅきょうさか・どろとはす）』が三宮にオープンしました。

メニューは「季節のおまかせ」コースのみ。蕎麦を主体に構成された懐石仕立てで、蕎麦は素材から精選し、製粉にもこだわり抜いた粗挽き十割を鴨せいろで味わえます。

大阪・東京で活動するデザイン事務所_shar ltd.によって設計された店内は、奇をてらわず、古くから受け継がれる調度品をしつらえ、ミニマルで静謐な空間に仕上がっています。

研ぎ出しや土壁、漆喰、美濃和紙、漆など、日本が誇る伝統工芸や左官技術で構成し、うつわも全て選りすぐりの現代作家達がオートクチュールで作陶したものだそう。日本の文化と茶禅の心といった美学に、現代の卓越した技巧を重ね、過去から今に繋ぐ空間を作り上げています。

「季節のおまかせ蕎懐石」（15,000円・税込、別途水屋料10%要）では、五種の日本酒ペアリング付で、先付／椀物／刺身／煮物／焼き物／鴨せいろ／甘味／抹茶／果子の献立が振舞われます。

こだわりの蕎麦は喉越しや細さ、長さ、艶、緑色など、これまでの蕎麦の良しとされる概念だけではなく、日本酒とペアリングすることを念頭に置き、味や香り、ミネラルを感じる蕎麦打ちにフォーカス。栃木や茨城、長崎、鹿児島などの丸抜き・玄をブレンドし、秋には福井や北海道、神戸三田の蕎麦を採用、電動石臼と手挽きを使い分け自家製粉しているそう。

明石の酒蔵仕込水を用い、麺打場の室温も低温に保つなど、厳しく制御された環境で打ち上げた力強い蕎麦に合わせるのは但馬鴨で、秋のジビエシーズンには生け捕りにした網取りの尾長鴨ををいただけます。

料理との相性を考え、ペアリングを追求した美酒は、生産量を絞り高品質な日本酒を造り続ける小規模生産者や前衛的な造り手に注目し、兵庫県の蔵元を中心に全国より厳選。

食後には茶司が点てるお茶と季節を感じるお果子が提供され、遺風と新風が混じる空間で一口ごとに奥深い味わいが心身に広がる体験を堪能できます。