大正レトロな空間で、心地よさに身を委ねて
垂水にある『九郎右ヱ門(くろえもん)珈琲店』で心地よい時間を過ごしました 神戸市
垂水駅のほど近くに、まるでタイムスリップしたような気分を味わえる『九郎右ヱ門(くろえもん)珈琲店』というお店があります。
森へ繋がるトンネルのような緑のアーチを通り抜けた先に扉があり、扉を開くと温かな笑顔の店主さんが迎えてくれました。
重厚なベルベットのカーテン、柔らかな光を放つランプ、艶々に磨かれた椅子と机、古時計、ステンドグラス…。
洋館のような趣の建物に古道具が馴染んだ店内に身を置くと、まるで異世界へとやってきたような気持ちになります。外国のような、それでいて古き良き日本も感じる「大正レトロ」という言葉がちょうど良い雰囲気です。
店主の酒井さんは元会社員だったそうですが、地元で何かしたいという思いと、喫茶店巡りの趣味が高じて同店をオープンするに至りました。建築物に興味があり、アンティークも好きだったという酒井さん。自身も工事に携わり(なんと完成模型まで作ったのだとか!)集めていたステンドグラスや古い家で使っていた欄間などを取り入れながら、建物を作り上げたそうです。
そんな雰囲気たっぷりのお店でいただけるのは、自家焙煎の珈琲や自家製ケーキ。今回は「ガトーショコラ」と、それに合う珈琲「マンデリン」をいただきました。
珈琲を一口。しっかりとした苦味を感じます。ケーキを食べてまた一口。すると、苦味が和らいで、コクと爽やかさが際立ちました。まるでケーキに合わせて淹れられたかのような珈琲の風味。「マンデリンは、はじめは苦いのですが、温度が下がるとまろやかな甘みに変化します」と酒井さん。ケーキに合う珈琲を尋ねると、丁寧に教えてもらえますよ。
ガトーショコラはしっとりとしていて濃厚。当初はもう少し軽い感じだったそうですが、「珈琲に合うように重い方がいい」と改良されたそうです。
それにしても、なんとも落ち着く店内。酒井さんの、クラシカルだけれど格式張らない丁寧なサービスも居心地のよさをアップさせています。「いち喫茶店ファンとして始めた店です。ゆっくりと過ごしていただけたら」とのこと。
静かに過ごしていると、古時計の時を刻む音やボーンボーンと鳴る音が聞こえて、昔へとタイムスリップしたような気分になります。喫茶店と一言で言い表すにはもったいない雰囲気とサービス。老若男女が集う垂水の街のオアシスが、これからも長く存在し続けてくれることを願います。
詳細情報
- 場所
- 九郎右ヱ門珈琲店
(神戸市垂水区日向2-2-7)
GoogleMapsで探す - 営業時間
- 12:30~20:00
- 定休日
- 日曜日・祝日・不定休(公式Instagramでお知らせあり)
- TEL
- 078-786-3792
※当日のみ予約可