みんなの健康を願う店主が作る渾身のパン
垂水にオープンした『RAGI(ラギ)』のサワードウブレッドを味わいました 神戸市
垂水におもしろいパン屋さんができたと聞いて、訪れてみることにしました。『RAGI(ラギ)』(神戸市垂水区)は、7月にオープンしたばかり。周辺には複数のパン屋さんのある地域ですが、そんな中でも異彩を放つお店です。訪れるとその魅力にハマる人続出というパン屋さんを取材しました。
よく目を凝らさないと見逃してしまいそうな、小さなお店。初めて入る時はちょっとドキドキするかもしれませんが、ドアを開けると、店主のカデさんがとびきりの笑顔で迎えてくれます。
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店内はシンプル。パンの種類は多くなく、10種類にも満たないほどです。カラフルでもなく、目立つ感じでもなく。
でも、近づいてみると、丁寧に作られたであろうことが分かる美しい形。ひとつひとつ質感の異なる、ほれぼれするようなパンの形です。
同店のパンは、最低限の材料で作られているそう。「パンの起源は水と粉をこねて焼いたもの。うちのパンは、それに乳酸菌と酵母を主体とした自然由来の“サワー種“を混ぜて焼いたシンプルなものです」と語るカデさん。いわゆる天然酵母パンなのですが、“サワー種“を使うことで、消化しやすく、より身体に優しいパン=サワードウブレッドになるそうです。
こちらでは、ほとんどのパンの試食ができます。看板商品の「田舎パン」は、口に入れると独特の酸味を感じます。いやな酸っぱさではなく、まろやかで爽やかな酸味。噛めば噛むほど甘味が出てきて、食べ進めるにつれてパン本来の味を味わっていることを実感します。飽きずにいくらでも食べられそう。
ツウ好みの「ライ麦100%パン」は、より酸味が強め。できあがるのに36時間かかるというパンは何百回も試作を繰り返し、よりシンプルな材料で美味しく食べられるようにと研究しつくされています。
そのまま焼いて食べてもよいし、ハチミツをかけたり、カッテージチーズを乗せたりして食べるとご馳走パンに変身します!
リクエストを受けて作ったという“甘いパン“もあります。もっちりと弾力のあるフォカッチャ生地に、チョコ、クルミ、レーズン、クランベリーがぎっしり入ったこちらのパン。パンそのものが甘くないので、チョコレートとドライフルーツの甘みが引き立つ、満足感の高い一品です。
『RAGI(ラギ)』のパンは、口に入れた瞬間の美味しさというよりは、食べ進めるにつれて感じる“しみじみとした美味しさ“という方がしっくりきます。
イーストに頼らない製法は発酵に時間がかかり、できあがるまでに時間も手間もかかりますが「みんなに健康になってほしい」というカデさんの願いが込められた渾身のパンなのです。
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常連さんが多いという同店。シンプルで味わい深いパンとカデさんの笑顔に惹かれて通ってしまう気持ち、わかります。
- 場所
- RAGI
(神戸市垂水区星陵台3-3-32 )
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