酒井家の人々や家臣たちの築いてきた文化を紐解く
姫路文学館 特別展「酒井家姫路藩の文化」姫路市
姫路文学館(姫路市)で9月14日から29日まで、特別展「酒井家姫路藩の文化」が開催されます。

姫路城を藩庁とした姫路藩は、軍事上、姫路が重要の地であったことから、江戸中期までの藩主家は幼年の当主が出ると転封となり、一つの大名家が長期間、藩主を務めたことはありませんでした。しかし、寛延2(1749)年に入封した酒井家は、幸いにも幼年の当主を出すことなく、明治4(1871)年の廃藩までの122年もの間、姫路藩を治めました。
姫路地域の文化財には、この時期に生みだされたものも少なくなく、そこには酒井家やその家中が重要な役割を果たしていたことが確認できますが、こうした文化財は、茶道の酒井宗雅や江戸琳派の酒井抱一・鈴木其一師弟などが関わったものを除くと、あまり紹介されていないのだとか。

中:酒井宗雅《柳馬図》三幅対、江戸中期、個人蔵
右:井上東溪・旭鳳・神村探流斎・娯山・筒井素彣《群馬図》一幅、江戸後期、三星会
同展では、酒井家入封後の歴史を追いつつ、下田桂屋《雪溪歸漁図》、鈴木其一画・河合寸翁賛《寸翁主夀像》、筒井素彣画・頼山陽賛《糺林図》、酒井宗雅《柳馬・唐人・松馬図》といった、主に酒井家姫路藩の藩主や藩士らの手による書画を中心に紹介。彼らによって育まれ、今に伝わる地域の文化について考える機会となります。
また、関連イベントとして9月16日・18日・23日には展示室内で展示説明会も開催予定。(各日14時~1時間程度)
主催する三星会の担当者は「初めて展示される作品や書籍などで知られていても紹介の機会が少なかった作品も多く、また姫路藩で育まれた文化の全体を見渡そうとするこれだけの規模の展覧会は珍しいと考えられますので是非御来場頂ければと思っております」と呼び掛けています。
<記者のひとこと>
市民団体「三星会」は、酒井家に仕えた姫路藩士の子孫らが2017年に設立。財政の安定化を図り、文化振興にも尽力した酒井家時代の情報発信を行っています。
詳細情報
- 期間
- 2023年9月14日(木)~29日(金)
※9月19日(火)と25日(月)は休館日 - 場所
- 姫路文学館 特別室
(姫路市山野井町84)
GoogleMapsで探す - 開館時間
- 10:00~17:00(入館は16:30まで)
- 料金
- 高校生以上 200円、中学生以下は無料