懐かしい味がここにはある。歴史に思いを馳せて
垂水にある老舗和菓子店『辯天堂本舗』に行ってきました 神戸市
歴史を感じる店構えに看板。通りがかるたびに気になっていました。『辨天堂本舗』は、垂水にある、大正10年創業の歴史ある和菓子店です。受け継がれる味を取材しました。
なんともレトロな雰囲気に、昔の和菓子屋さんはきっとこんな感じだったのだろうなと思いを馳せていると、奥から店主の岡村さんが出て来られました。同店の3代目です。
「和菓子は餡が魂」という信念のもと、厳選された北海道小豆と大手亡(白いんげん)とで、毎日丁寧に餡を手作り。自家製の餡を使ったお菓子がおすすめとのことで、まずは創業時より受け継がれている「六方焼」をいただくことにしました。
自家製のこし餡がぎっしり詰まった「六方焼」は、生地の六面を焼いたことからこの名前が付けられたそう。昔は多くの和菓子屋さんで見られたそうですが、今では見かけることも少なくなっています。
同店の「六方焼」には、生地に蜂蜜が使われていて、しっとりと優しい甘さ。お茶のおともにぴったりです。
「フライ饅頭」も、昔からあるファンの多いお菓子です。小麦粉に餅粉を混ぜた生地にこし餡が包まれ、油で揚げてあります。一見ドーナツのようですが、まったく違う味わい。卵・乳製品不使用という生地はもちっとしていて、たっぷりの餡ともよく合います。まさに、“和菓子屋さんならでは”の揚げ菓子です。
おやつとしてもよく売れるとという「栗むし」は、黒砂糖と小麦粉を使って蒸したお菓子。余計なものを使わず、シンプルに仕上げられたお菓子は、黒糖の風味豊かなもっちりとした蒸しパンのよう。思わず「懐かしい〜」と声が出ます。
九州地方のお菓子だそうで、岡村さんが大阪の和菓子店で働いていた頃に出会った鹿児島出身の職人さんに教えてもらったのだそうです。
一升餅や赤飯などの注文が多いことも、地域に根差している証だと思います。前日までに注文すれば当日できたてを用意してもらえるのも、インターネット販売とは違った魅力ですよね。
種類は多くありませんが、ひとつひとつ、受け継がれる製法で丁寧に作られていることがわかる、『辨天堂本舗』の和菓子。タイムスリップしたような空間に足を運んでみると、きっと懐かしい気持ちに浸ることができますよ。
詳細情報
- 場所
- 辯天堂本舗
(神戸市垂水区星陵台1-2-2)
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鷹取店はこちら - 営業時間
- 12:00~19:00
- 定休日
- 不定休
- TEL
- 078-783-7358