猛暑日が続くとおでかけも億劫になりがち。暑さを吹き飛ばすひんやりスイーツを『甘栄堂菓司舗』（神戸市中央区）で見つけ、取材に行ってきました！

70年以上続く老舗。現在の店主は3代目さんです

同店は、阪神春日野道駅を北に出て、春日野道商店街を歩くこと約5分のところにあります。店内には最中やまんじゅう、カステラなど昔ながらの和菓子や季節の和菓子がずらりと並んでいて、お中元やお歳暮など贈り物にも人気の老舗和菓子店です。

すーっと吸いこまれるように常連さんが入っていく店内

そして店頭で真っ先に目に入るのが「フルーツ葛バー」。約4年前からスタートしたひんやりスイーツです。ひんやりですが、実は年中食べられる一品です。

「フルーツ葛バー」220円（税込）
取材時は10種類を提供。白桃＆みかん、ブルーベリー＆いちご、マンゴー＆パイナップルは定番商品。そのほかは季節や時期で入れ替えあり

素材に使う葛粉は火の通り具合を見極める必要があるため、材料を流して固めるだけではうまくいかないのだそう。新鮮なフルーツや材料を冷やし固め、少し解凍してから棒を指しアイスバーとして仕上げます。

ものすごく手間がかかるお菓子ですが、お値段はリーズナブル。聞くと、「お子さんが220円を握りしめて買いに来ることも多く値上げのタイミングがない～（笑）」のだとか。老舗の心意気を感じますね。

今回は夏限定の”すいか”と人気だという”白桃＆みかん”をテイクアウト。食べ頃まで待っていると透き通り始めて色が鮮やかに変化します。

今回は家から保冷バックと保冷剤を持参してテイクアウトしました。太陽の日差しで宝石のようにキラキラ輝きます

そろそろかな～っと”すいか”から実食。本物のすいかを食べているような風味と味が口の中いっぱいに広がります。まるですいかそのものにかぶりついたかのような再現性...改良に2年かかったというのも納得です。

また”白桃＆みかん”は甘さと酸味のバランスが良くて、すいかよりもシャリシャリした食感がより感じられます。老若男女から愛されている味なのだそう。

「すだち寒天」280円（税込）

夏のひんやりスイーツはほかにも。店主がすだち好きだったことがきっかけで商品化された「すだち寒天」です。

たっぷりのすだちを絞って作ったすだち蜜に、すだちのスライスと寒天を入れた清涼感あるお菓子で、羊羹の星や金魚をトッピングした可愛らしい見た目も魅力的です。

「わらび餅　大」400円（税込）　「わらび餅　小」230円（税込）

長年愛され続けている「わらび餅」も要チェック。60年以上製法もレシピも変えていない歴史ある一品です。

夏のお菓子であるわらび餅は毎年5月に入ってからだそうですが、常連さんの「わらび餅ないの～？」が合図で作り始めることも多いのだとか。

そのままでも美味しいわらび餅。甘いきなこが添えられています

食べると素朴でやさしい風味と甘さが堪能できます。わらび餅の製法は企業秘密とのことなのでぜひ一度味わってみてくださいね。

お店にある招き猫。実は店主がお菓子で作ったもので神戸市から表彰された実績があるのだそう

老舗の良さを守りながら新しいお菓子も人気の同店。フルーツ葛バーは1年中楽しめるのでぜひ訪れてみてください。フレンドリーな店主と招き猫が出迎えてくれますよ。