小さいころ、貝殻拾いを楽しんだことがある人も多いのでは？世界中の美しい貝殻が並ぶ、国内でも珍しい貝専門の博物館『西宮市貝類館』を余すことなく堪能してきました。

同施設は1999年に開館。施設には世界の貝類およそ9万点が所蔵されていますが、その中でも特に見た目が美しいものや珍しいものなど、約2,000種・5,000点が展示されています。

展示されている貝は重さ160キロの「オオシャコガイ」から、ゴマ粒ほどの「ヒダリマキゴマガイ」まで、大きさ・重さ・産地まで様々。そもそも、なぜ国内でも珍しい貝の博物館が、西宮にできたのでしょう？

同施設を設立するきっかけとなったのは、日本の貝類学を基礎を築いた県出身の貝類学者・黒田徳米（くろだ・とくべい）氏。西宮の資産家であり、貝についての知識が豊富であった菊池典男氏の尽力があり、西宮に同施設が完成したそう。

「貝」と言えば沖縄などビーチが有名な場所を思い浮かべがちですが、兵庫県は意外にも貝とのつながりが深いんですね！施設内には夙川や甲子園浜などといった西宮の各所でとれる貝も展示されています。

貝といっても種類は様々。同じような形に見えても、その祖先はタコやイカの祖先だったり巻貝の祖先だったりと、全く違うんだとか。意外と奥が深いです。

また長い歴史の中で、その美しさから宝石やお金などとして使用されてきた貝殻。中にはこんなものも。これ、なんだか分かりますか？正解は…なんと「やかん」！狩りや人を呼ぶときに使用されるイメージが強い「ほら貝」ですが、こんな使われ方もあるんですね。

海外で見られる貝と日本で見られる貝に大きな差があるように、日本で見られる貝の中でも、海で見られるものと川で見られるものでは、色合いや形などに大きな違いが。その違いを比べながら楽しめるのが大きな魅力です。

施設の真ん中にズラリと並べられているのは、展示されているものの中でも特に施設自慢の「先鋭部隊」たち！今回はこの中から、学芸員さんが選ぶ「特に見てほしい貝殻」を、ランキングでご紹介しますよ～！

第3位　ハートの形がラブリー！「リュウキュウアオイガイ」

ハートをかたどったようなかわいらしい見た目の2枚貝は、その形はもちろん、なんとも言えない淡い色合いも魅力の1つ。日本ではその名前の通り、沖縄や奄美大島などで見ることができるそう。こんなかわいい貝がもし砂浜に落ちていたら…恋愛運が上がりそう！

第2位　その艶やかさはまさに神秘！「ナンヨウタカラガイ」

見てくださいこの艶！この磨き上げたような美しさは昔の人をも魅了し、酋長しか身に着けられないお守りとして重宝された歴史があるんだとか。こんなにも眩しい貝がもし砂浜に落ちていたら…いろんな人に見せて回ること間違いなし！

第1位　形・大きさ・模様ともに最高峰！「リュウグウオキナエビス」

堂々の1位はこちら！形や模様の美しさはもちろん、驚くべきはその大きさ。海底300メートルほどの場所に生息し、その珍しさから「生きた化石」とも呼ばれているんだとか。昔は、1つ300万円を超える高値で取引されていたそう。

もともとこんな風に穴があいた「スリットシェル」と呼ばれる形。ここから排泄するんだそうです。

こんなにも大きくて美しい貝を見つけたら…。みなさんならどうしますか？

最近、海できれいな貝殻やシーグラスなどを拾う行為は「ビーチコーミング」と呼ばれ、幅広い世代から人気を集めています。この夏は、西宮や県内各地の美しい貝殻たちに目を向けてみてはいかがでしょうか？