少しまわり道してでも買いに行きたくなるパン屋さん

甲子園口『空木（うつぎ）工房』へ行ってきました　西宮市

JR甲子園口駅のにぎやかな通りから少し離れた線路沿いを西へ行くと、大きな木の扉が目を引くパン屋さん『空木（うつぎ）工房』があります。

オーナーの及川さんは大学でデザインを学んだ後、家具職人や鉄加工職人を経て、西宮・船坂の「山のパン屋 ダディーズベーカリー」などで修業、独立しました。お店のデザインも全てご自身で手掛けたそうで、そのセンスの良さは美しいパン作りにも共通していることがうかがえます。
　

小さな店内には常に30～35種類のパンが並び、奥の厨房から焼き上がったパンが次々に補充されるので、タイミングが合えば焼きたてを買って帰ることができます。

看板商品の「Utsugiバゲット」は、国産オーガニック小麦を使用した独自の配合から作られます。オーガニック栽培の麦“せときらら”を、厨房にある小型の製粉機でその都度挽いて全粒粉として使うことで、フレッシュな香りが際立ち、風味が増すのだとか。
「Utsugiバゲット」320円（税込）
メインとなるハード系のパン生地は【長時間熟成発酵】させることにより、サクッとした噛み応えとモチモチの食感に仕上がるのが特徴。シンプルな味わいはどんな食材にも馴染むので、創作系パンのアイデアも広がります。
（左）「GorgonZola」290円（税込）、（右）「Olive」250円（税込）
「GorgonZola」はイタリア産のブルーチーズとたっぷりのはちみつをかけて焼き上げた人気商品。ゴルゴンゾーラの塩味とはちみつの甘さの相性は抜群で、おすすめと書いてあるとおり赤ワインにぴったり。「Olive」はつまみやすいサイズにちぎって食べられ、中のグリーンオリーブの味が生地に染みてこれまたワインが進みます。
「あんバター」230円（税込）よつ葉無塩バターを使用しているのでさらっと食べられるのが人気No.1の秘密
驚いたのは男性の来店が多かったこと。常連さんにはいつものパンをすぐに用意、サッと支払いを済ませ帰って行く‥そのテンポの良さも好かれる理由かもしれません。

「そういえば、あれどうなりました？」「今日はもうこれだけしかないの？」など、パンを袋に入れる間の何気ない会話やお目当ての商品を買いに来るお客さんとのやり取りで、このお店が街の人の生活に溶け込んでいることがわかります。
オーガニック栽培された小麦をその都度挽く丁寧な仕事に好感が持てます
「空木（うつぎ）」とはアジサイ科の落葉低木で5～6月にかけて日本各地に咲く、あまり気づかないけどいつも近くにある花なのだそう。お店の名前はその花のように日常にある身近なものでありたいという思いが込められているのだと思いました。

詳細情報