老舗の味を受け継ぐお昼の定食が人気
新開地の名店『割烹 大力』に行ってきました 神戸市兵庫区
神戸の新開地といえば、ひと昔前は東の浅草と並ぶほど関西では栄えた地域。その華やかな時代を知る『割烹大力』の創業は昭和46年。第41代横綱の千代の山関が命名したこのお店は当時、名物のちゃんこ鍋と会席料理を目当てに、たくさんのお客さんが引きも切らず列をなしていたそうです。
阪神大震災にも耐えたという建物は、歴史を感じる風情ある佇まい。暖簾をくぐり一歩足を踏み入れると、昭和にタイムスリップしたかのような懐かしい空間が広がります。2019年には小栗旬さんと星野源さんが出演された映画「罪の声」のロケ場所にも使われたそうです。
「今は夜の営業は予約のみで、お昼に1種類の定食をお出ししています。内容は入口の看板でお知らせし、週に2回ほど変えています」と語ってくれたのは谷口祥子さん。ご両親と一緒にお店を支えている三代目です。
本日の定食の内容は鳥天、わけぎのぬた和え、れんこんと長芋のきんぴら、かにかま豆腐あんかけ。そこに出汁巻き、そば寿司、ごはん、味噌汁、香の物がついて1,000円(税込)。たくさんの種類をバランス良くいただけるのも魅力です。
注文を受けてから作るとり天は、むね肉のふわっとした柔らかさとジューシーさに驚き。ぬたの辛子酢味噌は角のない丸い味で、食材の香りと食感を残した薄味のきんぴらは上品。ほんのり甘めの餡は、かにかまと豆腐に優しく絡みます。
出汁巻きとそば寿司は、同店の創業時からの名物料理。先代のおじいさまの味を今はお父様が受け継ぎ、毎日作っているそうです。香りと旨味が広がる出汁巻きに、見た目も美しい茶そばの繊細な味は、古き佳き時代に思いを馳せてしまう美味しさ。
同店は実は喫茶としても人気で、コーヒーとスイーツにも定評があります。なかでも高品質の酒粕を使った「酒粕プリン」650円(税込)は、それを楽しみに定期的に来るお客さんも多いそう。
谷口さん曰く「酒粕は生きものですから、作りおきができません。そのため2日前までにご予約いただくようお願いしています」という、お店自慢のプリンを特別にいただきました。
一番上に真っ白なホイップクリーム、隠れるように吟醸酒アイス、最後に酒粕プリンへとたどり着く構成。しっかりと存在を感じる酒粕の濃厚な甘さと、シャリ感のある日本酒のアイスが互いの豊潤さを際立たせます。甘味を足さないホイップクリームと塩漬けされた桜花で、口の中のバランスが保たれるのも良かったです。
ひとつひとつ丁寧に作られたお料理とスイーツ、是非どちらも楽しめるようにお腹を空かせておでかけくださいね。
詳細情報
- 場所
- 割烹大力
(神戸市兵庫区水木通1-2-4)
GoogleMapで探す - 営業時間
- ランチ 12:00~15:00
ディナー 17:00~22:00(夜は予約のみ)
- 定休日
- 木曜日、日曜日
- TEL
- 078-576-5661
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