鮮やかに騙される。だが、この物語には、まだその先がある。

『鑑定士と顔のない依頼人』

　かびに覆われた板切れでも数世紀前の名画だと瞬時に気付き、わずかな筆の跡から贋作を見抜くヴァージル・オールドマン（ジェフリー・ラッシュ）は、世界中の一流オークションからのオファーが絶えない鑑定士だ。
　そんな彼の元に、資産家の両親が遺した絵画や家具を査定して欲しいという依頼が舞い込む。ごくありふれた依頼のはずだが、依頼人の女性は決して姿を現さない。やがて彼女が屋敷の壁の向こうの隠し部屋にいることを突き止めたヴァージルは、我慢できず彼女の姿を覗き見てしまい、その美しさに一瞬で心を奪われる。だが二人の心が近づいた時、彼女は本物ならば歴史的発見とも言える美術品を残し、忽然と姿を消してしまう。

　果たして奇妙な鑑定依頼の本当の目的とは？そしてヴァージルの鑑定眼は本物なのか、節穴なのか。
　『ニュー・シネマ・パラダイス』のトルナトーレが仕掛ける極上のミステリー。

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