若手アーティストによって生まれ変わる“1floor”

『1floor（ワンフロア）2016 「何かの奇遇」』　神戸市兵庫区

　神戸アートビレッジセンター（神戸市兵庫区）で現在、若手アーティストの熊野陽平さんと戸田泰輔さんによる企画展示『1floor(ワンフロア)2016 「何かの奇遇」』が開催されている。11月27日まで。

　同センターは、若手アーティストやキュレーターの育成支援を目的とした公募企画『1floor』を2008年から毎年実施している。9回目を迎える今回は熊野陽平さんと戸田泰輔さんが1階フロアを使った展示に挑む。

　出品作家の熊野さんは、既存ルールや統一された規格への違和感、境界線の曖昧さを扱った作品を制作している。インスタレーション作品のほか、自ら考案した参加型のゲームを通して、鑑賞者（参加者）の立ち位置によって変化する価値観を問いかける。一方、戸田さんは日々起こる些細な出来事の断片を組み合わせることで、自覚のない経験や記憶を呼び起こさせるような作品制作を試みている。自身が生活する中で、ふとした瞬間に感じる世界とのつながりを作品に変換して独自の世界を作り上げている。

　同展で初めて出会った2人の作家がミーティングを重ね試行錯誤を繰り返しながら創り出す、”何かの奇遇”から発展する世界を堪能できる。

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