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江戸末期から明治にかけて創り出された赤穂ゆかりの工芸品
『雲火焼と赤穂緞通(だんつう)展』 赤穂市
「雲火焼展示館 桃井ミュージアム」(赤穂市御崎)で現在、『雲火焼と赤穂緞通(だんつう)展』が開催されている。期間は9月19日まで。
雲火焼は江戸時代後期から明治時代初期にかけて大嶋黄谷(1821~1904年)が赤穂の地において生み出した独持の焼きもの。無釉でありながら精巧な技術で磨かれた陶膚は鈍い光沢を呈し、ある程度人工的に生じさせた窯変の色彩と文様は燃える夕焼け空を連想させる。しかし、その陶法を伝える人もなく“幻の雲火焼”と称せられ珍重された。
赤穂緞通は、鍋島緞通(佐賀県)、堺緞通(大阪府)と並んで日本三大緞通と呼ばれており、赤穂郡中村(現赤穂市中広)に生まれた「児島なか」という女性によって江戸末期に考案された。明治末期には御召列車の敷物として、天蚕を使用した赤穂緞通が採用され、その後も東宮御船、枢密院王座の敷物として、政府に納入されたと伝えられている。大正から昭和初期にかけて全盛期を迎えたが、昭和12年に綿花輸入制限を受けて以降、衰退の一途をたどるように。昭和末期に廃絶の危機に見舞われ、幻の緞通と呼ばれた赤穂緞通は現在、新しい織り手によって復活されつつあるが、その作業は図案や使用する色糸選びから始まって全ての工程を1人の織り手が伝統技法を守った手作業で行うため、仕上がる緞通の数はごくわずかだという。
同展では、大嶋黄谷作の雲火焼や希少柄の「八芒星」紋の赤穂緞通の展示のほか、100年の時を経て日本に里帰りした忠臣蔵絵付けの高坂造の洋食器を展示。江戸末期から明治にかけて創り出された赤穂ゆかりの工芸品の魅力に迫る。また、赤穂緞通作家の井関京子さんによるミニ織機での緞通制作実演も予定されている(実施日時は要問い合わせ)。
詳細情報
- 開催期間
- 2016年8月17日(水)~9月19日(月)
※火曜休館 - 時間
- 10:00~16:00
- 場所
- 雲火焼展示館 桃井ミュージアム
(赤穂市御崎634)
GoogleMapで探す - アクセス
- 山陽自動車道・赤穂ICより車で約20分
JR「播州赤穂駅」より路線バス「保養センター行き」乗車「東御崎」下車すぐ - 料金
- 鑑賞料300円(入館無料)
- 問い合わせ
- 雲火焼展示館 桃井ミュージアム
TEL 0791-56-9933