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「100 万回生きたねこ」
絵本とそれぞれの秘密を重ね合わせる女性たち。
一冊の絵本でつながった作者と読者を見つめたドキュメンタリー。
世界に横たわる愛と孤独を描き出す冒険のはじまり。
絵本「100 万回生きたねこ」は、絵本作家でエッセイストの佐野洋子さんによって、1977 年に生まれました。100 万回死んで100 万回生まれかわった「ねこ」の数奇な運命を描いたこの絵本は、つねに新しい読者を生みつづけ、累計部数は180 万部を突破し、今年、刊行35 周年を迎えます。
なぜ、この絵本は、いまなお世代を越えて読み継がれているのでしょうか?本作は、その秘密と、作者・佐野洋子さんの世界をゆっくりと紐解いていきます。
作者の佐野洋子さんはガンを患い、余命を宣告されていました。小谷忠典監督は、顔を映さないという条件で、彼女の最期の日々を記録することを許されました。佐野さんの愛と孤独についての深い洞察は、それを読む人たちの人生に深く染み込んでいました。絵本を幼い子供たちに読み聞かせる母親。絵本と各々の思いを重ね合わせる出演者達は、癒しがたい疎外感や抑えがたい欲望、あるいは母との確執について、そして自身の幸福について静かに話しはじめ、映画は、一冊の絵本でつながった作者と読者を見つめ続けます。
そして、撮影中だった2010年11月。佐野洋子さん、永眠。葬儀を見届けたカメラは、女優・渡辺真起子さんとともに、生前の佐野さんが話してくれた思い出の故郷北京へ、一冊の絵本を巡って、世界に横たわる生と死、愛と孤独を描き出そうとする冒険へと旅立つのです。
作者:佐野洋子
1938 年、父利一、母シズの第二子、長女として生まれる。
幼少時代を中国の北京で過ごし、終戦後に帰国。武蔵野美術大学デザイン科卒業後、白木屋デパート宣伝部勤務を経て、ベルリン造形大学でリトグラフを学ぶ。帰国後、デザイン、イラストレーションなどの仕事を続け、絵本作家としてデビュー。
代表作に『100万回生きたねこ』『おじさんのかさ』『わたしのぼうし』など。エッセイストとしても活躍し、『神も仏もありませぬ』で2004 年に小林秀雄賞、08 年に巌谷小波文芸賞を受賞。03 年、紫綬褒章受章。10 年11 月5 日、東京都内の病院で死去。
享年72。
監督:小谷忠典(こたに・ただすけ)
1977 年、 大阪出身。ビジュアルアーツ専門学校大阪在学中より監督した『子守唄』(2002 年) が京都国際学生映画祭コンペティションにおいて準グランプリを受賞。『 いいこ。』(2005 年) は、大阪シネ・ヌーヴォでの異例の動員記録後、第28 回ぴあフィルムフェスティバルにおいて招待上映。初ドキュメンタリー作品となった『LINE』(2008 年)は、山形国際ドキュメンタリー映画祭主催「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー 山形in 東京」で特集上映後、劇場公開され、海外国際映画祭において入選・招待されている。
音楽:CORNELIUS(コーネリアス)
1969 年、東京都出身。1989 年、フリッパーズギターのメンバーとしてデビュー。バンド解散後、1993 年、CORNELIUS(コーネリアス)として活動開始。現在まで5 枚のオリジナルアルバムをリリース。自身の活動以外にも、国内外多数のアーティストとのコラボレーションやREMIX、プロデュースなど幅広く活動中。
詳細情報
- タイトル
- ドキュメンタリー映画 100 万回生きたねこ
- 開催期間
- 2月9日(土)〜22日(金)
- 会場
- 神戸アートビレッジセンター
神戸市兵庫区新開地5-3-14KAVC シアター - 料金
- 一般1,700 円
学生1,400 円
シニア1,000 円
メール登録割1,400 円 - お問い合わせ
- 神戸アートビレッジセンター
TEL:078-512-5500
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