神戸を拠点に活動する「貞松・浜田バレエ団」が「くるみ割り人形と秘密の花園」（全2幕）を、神戸文化ホールで12月23日と24日に上演します。

チャイコフスキーのバレエ楽曲のひとつで、クリスマスを題材にした「くるみ割り人形」は世界中で愛される演目ですが、世界的な振付家である大石裕香さんの演出により、新しい解釈を加えた「くるみ割り人形と秘密の花園」が誕生。昨年話題を集めた同作品を、今年はフルオーケストラを迎え再演されます。

従来の「くるみ割り人形」では純真な心を持った少女クララが、ドロッセルマイヤーおじさんから”くるみ割り人形”をもらったところから不思議な冒険と出会いの物語が始まりますが、新制作「くるみ割り人形と秘密の花園」は、両親を亡くし心を閉ざした少女マリが、両親からたくさんの愛情を受けていたことに気づき心を開いていく物語です。

撮影：鈴木心

演出を手掛けた大石裕香さんは、2000年にハンブルクバレエ学校に留学後、正団員となり、2010年に日本人初の女性ソリストに昇格。その後、振付師としても頭角を現し数々の賞を受賞。2015年にハンブルクバレエ団を退団後は、フリーランスとして宝塚歌劇団に振り付けをするなど、国内外でグローバルな活動を続けています。

撮影：田中聡（テス大阪）　

彼女が創る今回の舞台では、主人公マリの見える世界を象徴しているような色のないモノクロームのセットの1幕に対し、2幕は目を奪われるような鮮やかな花園の世界へ転換。前段で秘密の花園の扉が開く演出によって、マリの心が解き放たれる印象をつけたのちに、2幕で自らを見つめなおす「心の旅」の象徴として昇華され、美術・照明・衣裳すべてがマリの心を反映しています。

撮影：岡村昌夫（テス大阪）

舞台美術や技術面からも世界で活躍するアーティストが揃い、舞台ではバレエダンサー以外に男子新体操やオペラ歌手が作品を盛り上げて、多方面から楽しめる作品に仕上がっています。

撮影：田中聡（テス大阪）　

＜大石裕香さんのコメント＞

あらすじを大きく変更した新解釈のネオクラシックバレエ。次に何が起こるかわからないスピード感溢れるシーン展開でワクワクが止まらない、目で観るだけでなく心で感じるバレエの世界を、バレエ、オペラ歌手(並河寿美)、男子新体操の異色コラボによって実現させました。愛と光を沢山詰め込んだ、皆さまへのクリスマスプレゼント！新感覚のバレエを是非劇場で体験してください。