「柔軟さ」がその味わいの秘密
六甲のパン屋さん『Boulangerie ONO(ブーランジェリオノ)』【職人こだわり「明日のパン」 Vol.2】
去年、パンの消費量全国2位に輝いた兵庫県。たくさんのお店がありますが、種類や製造方法はそれぞれ違い、味わいも様々です。そんな個性あふれるパン屋さんを取材し、職人たちが認めた「明日のパンを買うのにおすすめなパン屋さん」をリレー方式で紹介してもらう連載企画!
小麦から人々の手元に渡るまで、マニアックすぎるこだわりを紐解きます♪
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第2回目となる今回は『メゾンムラタ』の店主・村田さんが「発酵の味の出し方が絶妙」とおすすめしてくれた六甲のお店『Boulangerie ONO(ブーランジュリオノ)』。阪急六甲駅から歩いておよそ10分の住宅街の中にあります。
「地域密着型」のお店にしたいという思いから2017年にこの場所にお店をオープンし、今年で7年目。平日は20~30種類ものパンが店頭に並ぶんだとか。
これらのパンは、店主である小野さんが毎朝4時から1人で制作しているんだそう。ホテルやレストランなどで修業を積んだのち、同店をオープンさせた小野さん。そのこだわりを伺うと、「素材や製法を柔軟に変えて、できる最善をつくすこと」という回答が。
「自分はこうだ、と思っても、外に出て色んなパン屋さんに行けばそれぞれ違った方法がある。遊び心を持ち続けることや、自分が楽しいと思う方法をいつも探すことを大切にしている」と小野さん。固執せず常に模索を続けることが、お店ならではのパンや味わいを生み出すことにつながっているんですね。
人それぞれの「感覚」というのは、作り手だけではなくもちろん食べる側にもあるものですが、小野さんはそんなお客さんからの意見も自身のパンに反映。例えばこちらの「セーグル・フリュイ」と呼ばれるパンは、もとはドイツ人のお客さんからのリクエストで作られたものだそう。
初めていただいたのですがパン自体の酸味はそこまで強くなく、たくさん入ったナッツの香りとジューシーなフルーツの味わいが絶妙!ワインと一緒に食べたい!と思うような、風味の豊かさが癖になりました。
色々なパンをいただきましたが、驚いたのはハード系のパン特有の香りが強いわけではないのに、パン自体の味わいがとても強いこと。また中に入ったフルーツやナッツがやわらかく、じゅんわりとしていること。
「お客さんから「このパンをどう食べるのか」聞くことも、素材の様々な面を深掘りして活かすことにつながっている」と話してくれた小野さん。そこから生まれるパンは、唯一無二であるようです。
それを実感したのは取材中、従業員の方が「ハード系のパンが苦手だけど、このお店のパンはおいしく食べられる」と熱弁してくださったことにあります。食べた人が伝えたくなるということこそが、その店やパンの魅力を表していると感じました。
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「お店が存続できているのは当たり前ではない、という気持ちを常に忘れず、かかわるすべての人への感謝を込めてパンを制作していきたい」とのこと。朝を迎えるのが楽しみになる「明日のパン」の秘密は、食べる人のことを常に考えた職人の愛にありました。
- 場所
- Boulangerie ONO(ブーランジェリオノ)
(神戸市灘区篠原中町6丁目1-15 大森マンション )
Google マップ - 時間
- 9:00~16:00
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