日光東照宮や築地本願寺にも伝統の技が光ります
新神戸駅そばの竹中大工道具館で開催「井波彫刻-物語を彫る」展 神戸市
日本で唯一の大工道具の博物館である『竹中大工道具館』(神戸市中央区)で、9月30日から「井波彫刻-物語を彫る」展が開催されます。12月3日まで。
富山県南砺(なんと)市の井波は日本を代表する木彫りの町で、町の中心を貫く八日市通りには数多くの木彫刻師たちが工房を連ね、石畳の風情ある町並みに鑿(のみ)を打つ槌音が響かせているのだとか。

「井波彫刻」は宝暦13年(1763)に始まる瑞泉寺(ずいせんじ)再建を起源とされており、現在まで260年に及ぶ伝統を引き継ぐ木彫刻師たちは、地元および周辺地域の寺院や神社、お祭の山車<曳山(ひきやま)>はもちろん、国内の著名な寺社建築である日光東照宮、京都東本願寺や東京築地本願寺、近年では2018年に復元された名古屋城本丸御殿でもその腕をふるったのだそう。


同展では、大胆な深彫りに高度な木彫刻技術が凝縮された寺院彫刻、豪華絢爛な祭り屋台を飾る精緻な曳山彫刻、そして明治期以降に住宅欄間として大きく発展した繊細優美な彫刻欄間などを展示予定。

また200本以上の鑿と彫刻刀を駆使する制作工程を実際に使われる道具と下絵、映像等で紹介されます。
「獅子や龍、さまざまな動植物や名勝の情景が織りなす物語を、卓抜した技術で生き生きと描き出す木彫刻の数々は、今もなお各地の建築や人々の暮らしを彩っています。豪壮かつ優美な井波彫刻の粋をぜひご堪能ください」と担当者は呼びかけています。
<記者のひとこと>
お祭りで使われる屋台や曳山ですが、神戸のだんじりにも井波彫刻の流れをくんだ彫刻師の作品が見られるそう。躍動感あふれる彫刻をじっくり観察し、だんじりの装飾に発見してみたいと思います。
詳細情報
- 開催期間
- 2023年9月30日(土)~12月3日(日)
- 場所
- 竹中大工道具館 1F ホール
(神戸市中央区熊内町7丁目5-1)
GoogleMapsで探す - 開催時間
- 9:30〜16:30(入館は16:00まで)
- 入館料
- 大人 700円、大高生・65歳以上の方 500円、中学生以下 無料
※常設展観覧料を含む - 休館日
- 月曜日(祝日の場合は翌日)