カレーって音楽に似てるところがあると思う。
ロックバンド「フリージアン」マエダカズシ×LITTLE MORE CAFE 神戸市【表現人のひるげ Vol.1】
兵庫にゆかりがあり、県内外に活躍の場を広げる様々なジャンルの表現人(アーティスト)。「表現人のひるげ」はそんな表現人たちのエネルギーの源でもある「ひるげ」に密着しながら、根底にある思いや活動について聞いてみる連載企画です。
“最強のジャパニーズソング”を追い求め2021年1月に神戸で結成されたロックバンド「フリージアン」。現在は全国でライブを行うほか、2023年7月には1st Album「FREESIAN」をリリース。Kiss FM KOBEの6月のパワープッシュ曲「HOTRAXX」に選ばれるなど、怒涛の勢いで活躍を広げています。
マエダカズシさんの突き抜けたボーカルセンスに合わせ繰り広げられる熱い演奏は観る人を惹きつけ、若い世代を中心に多くの音楽ファンを魅了しています。そんなマエダさんのある日の昼食に密着しました。
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やってきたのは二宮市場に入ってすぐのところにある「LITTLE MORE CAFE」。出汁をふんだんに使用した唯一無二のスパイスカレーと、アメリカの原住民・ナバホ族のソウルフード“ナバホタコ”を味わえるお店です。
店主は「フライデーフラワーズ」というバンドで活動を行うジョーさん。同じミュージシャン同士、音楽トークやライブについてついつい話し込んでしまうことも多いのだとか。
この日マエダさんが注文したのは「和風だしのチキンカレー」。和食店で働いた経験を持つ店主のこだわりで、カツオやアジ、サバ、イワシに昆布から丁寧にとった出汁を使用。
出汁が効いているためごはんとも相性抜群で、どことなくホッとする味わいが魅力的。マエダさんの心のソウルフードでもあるLITTLE MORE CAFEのカレーを食べながら、活動の原点やこれからについて話を伺いました。
—LITTLE MORE CAFEのカレーはどんな時に食べたくなりますか?
マエダカズシ(以下マエダ):ホッとしたいときとか元気出したいときに食べます。近くを通ったときに電気がついてるとついふらっと寄っちゃいますね。ここのカレーはそのまま食べてもおいしいし、アチャール(副菜)を混ぜて食べるとまた味が全然変わるのがおもしろいです。
—ご自身はもともとカレーはお好きですか?
マエダ:好きですね!カレーって音楽に似てるところがあると思ってて、ベースがあっていろんなものを後から加えていく感じとか…自分で作り始めたらハマりそうで怖いからここで食べてます(笑)。
—ランチだけでなく夜営業も行っていますが、ランチ以外でも利用することもありますか?
マエダ:夜もよく来てて、カレー食べてナバホタコ食べてちょっと飲んだりしてます。ジョーさんと話するのも面白くて、他県にライブに行った後とかに寄ってゆっくり話したり…。「翌日撮影あるんですよ」って言ったら、むくみがとれやすい中国茶出してくれたりして、ほんまに神戸のお兄ちゃん的な存在です。
—わかる気がします!普段のお昼ごはんはどういうシーンで食べることが多いですか?
マエダ:結構自炊することも多いですね。ライブで他県に行くときは、メンバー同士めちゃくちゃ仲が良いからご飯は絶対一緒に行ってるかな。ご当地のもの食べたり。その後は夜も同じ部屋で過ごして、ずっと一緒に遊んで笑ってます。
—メンバーの仲の良さはSNSでも伝わってきますよね。現在はフリージアンとして全国で活躍されていますが、自身の音楽の活動はいつ頃からはじまりましたか?
マエダ:大学入ったタイミング…19歳の時に組んだコピーバンドで、はじめて人前で歌ったのが最初。それから15年くらいずっと音楽やってることになりますね。
—音楽を始めた当時から、気持ちの上で変わらないことってありますか?
マエダ:音楽をやるうえで「嘘をつかない」っていうことはずっと大事にしています。曲作りでも自分の実体験とか感じたことを中心に作っていってます。そうすると、ある程度のフィクションを織り交ぜても「本当」になっていく。自分で書いた歌詞を見て自分で感動できないと人前に出したくないです。
—だから聞いている人の心に刺さるような楽曲に仕上がっているんですね。
マエダ:そうだと嬉しいですね。フリージアンはこれからのバンドで全く誰も知らないのが前提やから、初めて聴く人にも伝わる内容にすることは心掛けてます。好き放題やるのは売れてからでもできるから、今はたくさんの人に届く音楽がしたいなっていうのが俺らメンバー間の共通認識です。そのためには曲もやけど、歌詞もある程度分かりやすくしたり、あとは説教臭くならないように(笑)。まだまだフレッシュな気持ちを忘れずに作ってます。
—7月に発売された1st Album「FREESIAN」を聴きましたが、アッパーな曲調の楽曲もある中、マエダさんの書く歌詞には少し影を感じますよね。
マエダ:最近よくいろんなところで言われます。昔から物事をポジティブに考えることが苦手で「自分がこうなりたい、こうあってほしい」っていうある種の“祈り”みたいなものを歌ってるから、どこかに影があるんやと思います。だから自分と同じように普段生活してる中で「なんかうまくいかへんな」とか、原因不明の折り合わなさがある人たちに刺さってるのかも。
—嘘をつきたくないマエダさんの素直な気持ちが歌に乗ってるのがすごく伝わってきます。
マエダ:嘘をつきたくないから自分の作る音楽に暗い一面がなくなるのが怖いし、聴いてくれてる人はそういうところがいいと思ってフリージアンの音楽を聴いてくれてるんやと思う。自分のためにしか歌われへん不器用な人間やから、その人のために歌うことはできないけど、少しでもそういう人の背中を押したり後押しできたらいいなと思ってます。
—歌詞を書く作業はどのように行っているんですか?
マエダ:歌詞のことはどこでも考えてて、それこそ好きな子とお昼ご飯食べてるときに思いついた歌詞もあるし…。俺が黙ってスマホ見てたらだいたい歌詞書いてます(笑)。歌詞が出てくるまでに時間が掛かるけど、ぽっと出てきたらそのまま一気に書き上げますね。そこから曲に合わせて微調整したり。メンバーは俺の歌詞がすごい好きやからめっちゃ褒めてくれるけど「もっと分かりやすくした方がいいんちゃう?」みたいに、客観的な目線でダメ出ししてくれるから、そこで書き換えたり。
—創作のベースはどういうところからインプットしていますか?
マエダ:全部のシーンを想像して脳みそがしんどくなるから小説とかは読めなくて…エッセイとか詩集は読みますね。あと、映画を観たり、漫画を元にした曲も多いですね。インプットした直後は内容についてほんとちょっとしか残ってなくて、1年後とか結構時間が経った頃に熟成したのか、ある日急にぽっとでてくる。出来上がった歌詞に既視感を感じて、なんやろう?と思ったら「ああ、あの作品のことか!」ってなることもあります(笑)。
—現在全国で精力的に活動しているフリージアン。忙しい日が続いていると思いますが、マエダさんの活動に対するパワーの源は?
マエダ:“反動”です。一人で何もしないみたいな、ぼーっとしてる時間がめっちゃ好きで…最近は半身浴とかにもハマってます。でも外に出ると楽しいことっていっぱいあるじゃないですか。それに出会うとはしゃいでしまいますよね。「楽し~っ!」って。年々そういう場所が好きになってきて、ライブの場とかのそういう楽しい時間を増やしたいっていう気持ちが強いですね。
—今後はフリージアンとしてどんな風に活動していきたいですか?
マエダ:全国回って普段フリージアンの音楽を聴いてくれてる人に会いに行きたいですね。あとはメンバー同士がめちゃくちゃ仲いいから、みんなでうまいもの食べたり…修学旅行みたいなノリでずっと騒いでいたい。スタッフとして助けてくれる人や関わる人が増えてきたし、これからはもっと仲間増やしていろんな人と楽しい時間を過ごしたいです!
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詳細情報
- 店舗
- LITTLE MORE CAFE(リトルモアカフェ)
(神戸市中央区琴ノ緒町3丁目3-5-73)
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- 火 15:00~20:00
水・木 12:00~20:00
金・土 12:00~22:00
日 12:00~18:00【不定休】 - 定休日
- 月曜・不定休