目で見て匂いで感じる「お酒」誕生までの軌跡
お酒づくりを見学!『明石酒類醸造&海峡蒸溜所ビジターセンター』 明石市
国道2号線で明石方面に向かう途中にある、パッと目を引く美しい建物。実はここでは、様々な種類のお酒が作られているんです。今回は土日限定で開催されている酒蔵や蒸溜棟の「見学ツアー」に参加してきました!
去年8月にオープンした「明石酒類醸造&海峡蒸溜所ビジターセンター」は、JR「朝霧」駅・山陽「大蔵谷」駅から徒歩7分ほど。大きなガラス窓からは、美しい木の梁で出来た施設内の様子がうかがえます。
同施設でお酒を製造している1918年創業の酒造メーカー「明石酒類醸造株式会社」は、大正時代から始めた焼酎づくりのノウハウを生かし、現在では日本酒だけでなくウイスキーやジンを製造していて、その多くがヨーロッパなどの海外に輸出されています。
ウイスキーなどの製造開始に伴い「国内外の人にお酒づくりを見学してもらいたい」という思いから施設を立ち上げたんだとか。酒蔵はお酒を販売している施設の奥。白衣と帽子をかぶって、いざ出発です!
酒蔵に入ると一番に目に入るのは、お酒をつくるために必要なお米を蒸す機械。純米酒をつくるときには、ひと仕込みに720キロものお米を使用するそうで、それを何回かに分けて蒸していくんだとか。
蒸されたお米の一部はこちらの室(むろ)で黄麹菌を植え、2日かけて麹を造ります。広報の方いわく、ここが一番酒蔵の中で繊細な場所なんだとか。「見学に来られる方には、事前に〇〇や〇〇を食べるのを控えていただくようお伝えします」とのこと。さて、その食べ物とは?
正解は…「キムチ」と「納豆」!これらは菌の働きがとても強く、麹のつくりに影響が出てしまうんだとか。お酒ってそんなに繊細なバランスで出来上がっているんですね!
発酵タンクの中で徹底した温度管理のもと、2週間から1か月間かけて発酵させる「もろみ」(搾る前のお酒)。見学者は「もろみ」の香りを嗅ぐことが出来るんだとか。今回は醗酵タンクに入る前の「酒母」の香りを嗅がせていただきました。
甘くて芳醇な、大人の香りに圧倒されました。こうして出来上がった日本酒…大事に飲みたい!という気持ちにさせられます。
搾られたお酒はこのタンクで瓶詰前のろ過を待ち、出来上がりです。
次はウイスキーづくりを見学です。作るための機械も、日本酒のものとはちょっと違いますよね。この機械で麦芽とお湯を混ぜ、麦汁を作ります。
「麦汁」と聞くとどうしても「ビール」を想像しますが、実はここまでの工程はビールと同じ。ビールとウイスキーでは、麦汁の処理方法が違うんだとか。
日本酒と違って、発酵にかかる時間は3~4日と短め。ここからは施設の外から見て気になる人も多かったであろう、見るも不思議な機械を使ってウイスキーを作っていきます!
酒蔵から出て、次に向かったのは「蒸溜棟」。2つ並んだフラスコのような機械は「ポットスチル」と呼ばれ、先ほど発酵させたものをここで蒸留していきます。
ウイスキーの匂いとも違う、甘くてジューシーな匂いが漂っていましたが、広報の方によると「蒸留のタイミングで、どんどん匂いが変わっていきます」とのこと。ここで2回に分けて蒸留され、ウイスキーは出来上がり…と思いきや!
なんとウイスキー、国内で製造・販売する際は樽に入れて3年寝かさないといけないという決まりがあるんだとか。なのでここで製造されたウイスキーが私たちの手元に届くのは早くても2026年とのこと。お酒はたくさんの手間暇をかけて、大切に作られているんですね。
施設見学の最後には、「明石酒類醸造」のお酒を試飲することができます(施設見学をしなくても試飲は可能)。種類は日本酒、ウイスキー、ジン、リキュールの4種類。どのお酒にも共通して感じたのが、その「香りの良さ」。
中でも日本酒は甘口で、フルーティーな香りが鼻に抜けて飲みやすさ抜群。最近若い世代に人気が高いジンは、「和と洋の融合」がモチーフとのこと。複雑に絡まるハーブの香りが、オリエンタルな味わいでした。
実際に見学してから飲むお酒は格別。地元・明石で作られているお酒はもっと格別。酒蔵を見学し、特別な想いでお酒を楽しんでみてはいかがでしょうか?
詳細情報
- 場所
- 明石酒類醸造&海峡蒸溜所ビジターセンター
(明石市大蔵八幡町1-3)
GoogleMapsで探す - 時間
- 11:00~18:00
- 見学ツアー
- 時間:1時間程度(目安として蔵見学&蒸溜所見学30分/テイスティング30分)
料金:1人 2,000円(税込)
定員:1~10名
※開催は土日・祝日のみ
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