和三盆のやさしさと情熱が溢れるバターサンド

『saison de cinquieme（セゾン ド サンクェム）芦屋』へ行ってきました　

阪神・JR芦屋駅から徒歩6、7分の住宅街にある「saison de cinquieme（セゾン ド サンクェム）芦屋」は、徳島県にある創業120年の老舗和菓子屋【岡萬本舗】が運営するバターサンド専門店。

リッチなバタークリームにサクサクのサブレ生地との相性が抜群の「バターサンド」は、味だけでなく並べたときのカラフルなかわいさも人気です。

普通のバターサンドとは違い、和菓子の高級材料として知られる“和三盆”を使用しているのが特徴で、その豊かな風味と上品な甘さが関西人好みとあり、手みやげとして重宝されています。

開発に1年をかけたというバターサンドは厳選した地元産の果実を丁寧に自社で加工、それぞれの素材に合わせて作り分けるこだわりのバタークリームは阿波和三盆糖を使用したサブレでサンド。

この日は定番のフレーバーのいちご、りんご、いちじく、小倉あずき、ラムレーズン5種類と期間限定のフランボワ、ショコラ、栗が店頭に並んでいました。
季節限定商品は旬の果実の出来があまりよくない年はそれを使わないのだそう。素材と真摯に向き合い、お客様を裏切らない商品作りを徹底していると感じます
ピンクとブラウンのコントラストが見ているだけでもかわいい「フランボワ」は、ほろ苦いショコラサブレと木苺のバタークリーム、さらに甘酸っぱいコンフィチュールが中に隠れ、最後まで飽きない味。
（上）「ショコラ」420円（税込）、（中）「フランボワ」、（下）「ラムレーズン」各420円（税込）
「ショコラ」は、生ビターチョコと砕いたアーモンドの食感がよく、後から柚子ピールがほんのり感じるように細かく計算がされています。
焼き立て食感と少し時間をおいたしっとり食感の違いも楽しんでほしい
どれもしっかり分厚いクリームが挟まっているのに、軽い口当たりと和三盆ならではの繊細な甘さに気がつけば一つ食べ終わり、もう一つと手を伸ばしてしまいそう。
女性にうれしい美容効果が詰まった「いちじく」は驚きの隠し味が
なぜ、そこまで”和三盆”にこだわるのでしょう？‥気になったので聞いてみました。
“和三盆”は細やかな粒子と口どけのやさしさが特徴（出典：岡萬本舗Instagram）
使われている阿波和三盆は竹糖という品種のサトウキビを原料に、伝統製法を用いた四国の徳島・香川県のみで作られる数少ない国内産の砂糖なのですが、どこの農家も高齢化、後継者もいないことに悩まされているのだそう。

希少な文化を衰退させてはいけないと、同社は竹糖を自社の農園で栽培・生産することを決めました。まだ和三盆をよく知らない人や若い人にもっと興味を持ってもらいたいという思いから、まずはバターサンドで親しんでもらおうと考えたのだとか。
自社農場栽培の"竹糖"を加工した際に一番最初にとれる風味のよい「阿波和三盆糖＜一番糖＞」50g 756円（税込）
高級材料である和三盆を使った本当に贅沢なバターサンド。ふわっとやさしい味わいの中に、そのような熱い想いや願いが込められているのですね。

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