美しさにうっとり～すだちと蕎麦のハーモニー～

『手打ちそば屋 蕎麦しん』実食レポ　姫路市

姫路市新在家本町にある『手打ちそば屋 蕎麦しん』へ行ってきました！閑静な住宅街にどっしりと構える古民家を改修したこちらのお店、順番を待つお客様が縁側にまで続く人気のお店です。

この素敵な古民家と運命的な出会いを果たした店主の「しん」さんが、『手打ちそば屋 蕎麦しん』をオープンさせたのは2020年11月のこと。長い年月を経て良い具合に変化してきた古民家の外観はそのままに、庭の植栽は丁寧に整えられ、店内いたるところに美しい花が生けられています。まだ新しいお店ですが、すでに多くのお客様に愛される実力派です。


その日に提供する蕎麦は朝早くから石臼で挽くこだわり。石臼挽きで仕上げることで、熱に弱い繊細な蕎麦の実の水分や風味、香りを残して挽くことができるそう。
「蕎麦しん」オリジナルの蕎麦茶
もう一つのこだわりはなんといっても「つゆ」。蕎麦はシンプルな素材の組み合わせだからこそ、素材にはとことんこだわっているそう。冷たい蕎麦と温かい蕎麦には、それぞれに材料から全く違うもの使用してつゆを作っているのだとか。

お店の味の要、「かえし」と合わせる出汁に使うのは北海道産高級昆布です。北海道と一言で言っても、場所によって海水温も違えば昆布の生育環境も様々。異なる環境で育つ昆布は産地によって味がかなり変わり、そばつゆを作るときにはその産地の違いも注意深く考慮しているそうです。

本日の蕎麦は福井県産の「大野在来種」と、十割蕎麦も同じく福井県産「丸岡在来種」です。蕎麦の実は生産地や品種によって味に大きな違いがあるので、その時々の蕎麦の味との出会いも大切にしたいですね。
「ミニ天ぷら盛り」530円（税込）/「すだち蕎麦」1,250円（税込）
ご紹介いただいたのは温かいすだち蕎麦。すだちがあまりにも美しく飾られているので、お箸を入れることを躊躇してしまいそうですが、美味しい蕎麦がのびないうちにいただきます！

蕎麦はとっても上品な細切りで、蕎麦の香りはもちろんのこと、ほんのりと甘みも感じます。つゆと一緒に頂くと、つるんと喉を通る感覚がとても心地よい！すだちの酸味、蕎麦の甘み、つゆと出汁のまろやかさ、すべてが交じり合う最高のバランスに箸が止まりません。

ちなみにお店で使用されている箸はすべて国産の竹箸。極めて細く作られた箸は指に触れる感触も柔らかく、繊細な蕎麦を潰すことなくしっかりとキャッチ。こういう心配りも嬉しいものです。

きらきらと光り輝く美しいつゆ。食べ始めと、最後のほうでは味が変化したように感じました。食べ進めるほどにすだちの酸味がつゆに染み出して、ずっと楽しんでいたい魅惑の味。つゆの輝きとともに伝わると嬉しいです。

一緒にいただいた天ぷらの盛り合わせは、ぷりぷりの海老と野菜たち。サクッとした衣と野菜の甘みが後を引く美味しさです。天ぷらは多くの方が注文する人気メニューだそうです！

すだちを2個から2個半も贅沢に使うという美しすぎるこちらのすだち蕎麦、6月以降はひやかけでの提供もあるそうです。冷たいつゆとのバランスもまた楽しみですね！
ゆったり座れるお座敷
現在お昼の予約はしておらず、閉店時間を待たずに売り切れ次第終了になることもあるとか。ランチご利用の際は、早い時間の来店がおすすめです。
「九条ネギと京鴨のしゃぶしゃぶ」1人前 2,600円（税込）

夜には、〆に蕎麦がついた「九条ネギと京鴨のしゃぶしゃぶ」も食べられますよ。夜の部は予約ができるので、確実にお席を確保したい時や、お酒と一緒に蕎麦を楽しみたい際には夜の来店もおすすめです。
お猪口が素敵に並んでいました
蕎麦の実や昆布など、日本各地の美しい水や大地の恵みによって育まれた食材を、季節を感じるしつらいの中で味わう幸せ。皆さんもぜひ堪能してみてください！

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