国の伝統的工芸品にも指定されている「丹波立杭焼(たんばたちくいやき/丹波焼)」と「出石焼(いずしやき)」。古くから受け継がれた伝統を守りながら、それぞれの職人・窯元が新しい技法を加え現代に寄り添う器を生み出している。実際に店で手に取り、いろんな話を聞けば「器の世界」に魅了されるはず。一つひとつ手作りだからこそ生まれる風合い、温もりに触れ、あなたの暮らしにこだわりの器を。
【丹波焼】
①雅峰窯〈窯元〉
②ココチ舎 〈窯元〉
③集芸館〈窯元・カフェ〉
【出石焼】
④永澤兄弟製陶所〈窯元〉
⑤虹洋陶苑〈窯元〉
⑥CREEZAN城崎本店〈カフェ〉
【気軽に訪問&まとめ買い】
⑦様々な窯元・作家の器が集う施設・イベント
丹波焼
800年以上の歴史を持つ「丹波焼」。篠山市今田町(こんだちょう)には約60軒の窯元が並び、歩いて窯元めぐりをすることができる。周辺には、丹波焼を“見て体験して楽しむ”総合施設「立杭 陶の郷(すえのさと)」や「兵庫陶芸美術館」、丹波焼を湯舟・露天風呂・床にも使用した丹波焼風呂と丹波特産の丹波石をふんだんに使った丹波石風呂の2つの大浴場がある「こんだ薬師温泉 ぬくもりの郷」など陶器にまつわる立ち寄りスポットも多く存在する。
雅峰窯(がほうがま)
伝統と現代の融合
丹波焼を知ってもっと好きに
トルコブルーや瑠璃色といった食卓を彩る鮮やかな色合いと、縁取るように縦の線を1本1本描く民芸の伝統的な技法“しのぎ”、ドットなどの現代的なデザインで人気を集めている「雅峰窯」。技巧を凝らした高価な陶器から日常使いの食器まで、市野秀之さんと息子さん2人による三者三様の作品をじっくり見ながらお気に入りを見つけて。
山麓の傾斜を利用して造られる「登り窯」。約60軒の窯元ほとんどが個人窯を所有するといい、雅峰窯の約13メートルの窯は23年前に市野さんが父と2人で造ったもの。毎年5月には燃料の松割り木を次々と投入し室内を約60時間高温で焼き続ける、“陶芸ファン”必見の「窯焼き」も実施している。
登り窯に加え、ガス窯・電気窯も使用。それぞれ焼き具合が異なるため作品によって使い分けている。
主原料が赤茶色の土であるため、昔は黒・茶色の陶器が多かったが、江戸時代以後は釉薬(ゆうやく/うわぐすり)も多様になり様々な色や模様の作品が生まれている。基礎となる釉薬に鉄分、マンガン、チタンなどの鉱物を加える配合によって色が変化する、まさに“科学の世界”。丹波焼の職人ほとんどの人が、色釉も既製品ではなく一から作っているのだそう。各窯元の“色”に注目してみても楽しいかも。
一番人気は、“しのぎ”が施された食器。「他の窯元さんでも、一見丹波焼だと分からないくらい斬新なデザインが施されているものもある。でもそれは時代に合わせて変えていける丹波焼の良いところ」と市野さん。
トルコブルーやドット柄など目を引くデザインも、若い女性を中心に人気。
8人の丹波焼職人によるブランド「TanbaStyle(タンバスタイル)」。丹波の代表的な色使いである「丹波黒」「白丹波」から着想したモノトーンの色使いで、しのぎを施したシンプルなデザインの食器がラインナップ。「TS グラタンプレート(S)1,620円(L)3,780円」は、2017年に耐熱陶器として開発されたもの。
雅峰窯では、プライベート空間で職人に教わりながら陶芸体験が楽しめる(要予約)。伝統的な丹波黒をはじめとする約10種類の色で好きな形を作れるほか、仕上げに雅峰窯を代表するデザイン“しのぎ”を施してもらうことも◎
粘土細工600g 2,000円、1kg 2,500円。電動ロクロ 1kg 3,500円。
名称 | 雅峰窯(がほうがま) |
住所 | 篠山市今田町上立杭355 |
TEL | 079-597-2107 |
営業時間 | 9:00~19:00 |
定休日 | なし |
駐車場 | あり |
公式サイト | http://www.gahougama.com/ |
公式Facebook | https://www.facebook.com/hideyuki.ichino |
公式インスタグラム | https://www.instagram.com/hideyuki_ichino/ |