「地上の風景」を小さな空間に再現して楽しむインテリアグリーンとして脚光を浴びている「テラリウム」。JR広野駅を降りてすぐ、5月にオープンした『シダデザイン』（三田市）は、全国でも数少ないテラリウム専門のお店です。

近年では盆栽や苔玉、石庭など繊細な”和”の要素をプラスした日本発テラリウムが海外、特にアジア圏から注目されているとか。

小さな空間の中に作られる「癒しの世界」

オーナーでテラリウム作家の嶋﨑さんは、趣味として楽しまれているテラリウムを「文化」として定着させようと国内外で普及活動に努めている業界パイオニアのひとり。

眺めているだけで楽しめる店内の作品

そんな彼のお店で開催されているワークショップには、グループ・お一人どちらでも参加できます。

ワークショップの道具類一式

さっそくテラリウム制作のポイントや楽しみ方をレクチャーしてもらいました。

①ソイル（用土）を入れる

空間の中では、「土」の良し悪しが環境を左右します。同店では栄養、水はけ、カビ発生の抑止などを考えた独自配合のソイル（用土）を使って安定した土壌を作ります。少し傾斜を付けるのがコツで、奥行きが出て立体的に仕上がるそう。

②石を配置する

イメージを膨らませて好みのレイアウトを作りましょう。石の形を吟味しながら配置していく嶋﨑さんに、何を作っているのか尋ねると「洞窟」という答えが返ってきました。

③化粧砂を撒いていく

数種類の化粧砂で色付けて自然な状態に寄せていきます。

③ピンセットなどの道具類を使って植えていく（写真はベニシダ）

ここからグリーンを植えていきます。同店では何万種とあるシダとコケの中から、テラリウムに適したものを厳選し自店で生育しているそう。

右上から時計回りに：クライマープランツ・スギゴケ・ヒノキゴケ

ポイントは植え込み前に根の土やゴミをしっかり落とすこと。細かく小さいシダや苔を1本ずつ丁寧に植え込んでいくことで、仕上がりの美しさやその後の成長に差が生まれます。

苔は、毛流れを揃えながら少量ずつ

専門家として「いい加減なものを使いたくない」と言い切る嶋﨑さん。石や砂、植物に至るまで全ての素材は試行錯誤を繰り返しながら、自分の目で確かめたものばかりです。

『シダデザイン』オリジナルのカエルたち

最後はアクセントにミニチュアを。可愛らしいキノコからダイナソーまでイメージに合ったものが選べます。

洞窟の中のカエル。いつまでも眺めていられる癒しの風景♪

同店では植物の「成長予測」に基づいたレイアウト作りをしているので、変化していく風景を味わうことができるんだとか。生い茂っていくシダの姿を想像すると成長が待ち遠しくなります♪

英会話もOK！というマルチな才能の持ち主

前職はデザイナーをされていたという、豊富な知識と洗練された感性をお持ちな唯一無二の作家さん。

古代生物が現れそうな太古の森

店内には“物語”を感じる作品もたくさん並んでいて、眺めているだけで時間が過ぎてしまいます。来店だけでも大歓迎、素材だけの販売もできるとのことです。

パルダリウム【サブスクプラン/1ヶ月】60×45センチ：22,000円など3種類/ 税込価格、照射ライトや給水など全て含む

熱帯雨林を再現した「パルダリウム」は、サブスクプランが始まったばかりだとか。

「コスモスフードマーケット」ではビギナーやキッズ向けのWSを開催

「作る楽しさ、育つ喜び、癒し効果」を兼ね備えた”テラリウム”。その奥深い魅力に沼ったら最後、抜け出せなくなりそうです。

今後は「コスモスフードマーケット2024」（10月19日）、東京「国分寺苔展」（11月2日〜4日） 、「三田コーヒーフェス2024」（11月9日、10日）への出展を予定しています。