昨年末に三宮にオープンした『EL CIELO（エルシエロ）北野坂店』（神戸市中央区）に行ってきました。

三宮駅から徒歩5分ほどの距離

北野坂から一本東に入った静かな通りに佇む同店は、隠れ家のような雰囲気に包まれています。

仲井裕三さん（左）と仲井睦（むつみ）さん（右）

腕を振るうのはイタリアから帰国した兄弟シェフ。伝統的な家庭料理から星付きレストランでの修業による本格的なメニューまで、様々な経験に裏打ちされた本場の料理を楽しめます。

日差しか降り注ぐガラス張りのテラス席は10席

今回は「北野ランチ」なので4,400円（税込）のコースを優雅にいただきます。

「ミネストローネ」

最初に出されたのは「ミネストローネ」。ズッキーニや玉ねぎ、キャベツにセロリなどたっぷりの野菜に、ひよこ豆とグリーンピースがゴロゴロ入っています。

「味付けは塩だけ。仕上げにオリーブオイルと胡椒、チーズを足しています」とのこと。いろんな食材が溶け合うことで驚くほどの甘味と旨味を感じます。

「鰆のカルパッチョ」

前菜は「鰆のカルパッチョ」。皮目を炙った厚切りの鰆は程よく脂がのり、身の締まりから鮮度の良さも。アイスプラントやセルバチコなどの野菜に、大きなカラスミのスライㇲものせられ、玉ねぎとバジルペーストのドレッシングで爽やかさが駆け抜ける一皿に。

「淡路鶏もも肉と丹波シメジのクリームソーススパゲッティ」

次に、パスタかピッツアを選べるのですが、今回はクリームソースのスパゲッティを選択。

ソースをたっぷり絡めていただくと、柔らかな鶏肉に丹波シメジの香りと歯ごたえを楽しめます。淡路鶏を煮込んだ際に抽出した”だし”に生クリームを加えたソースは、濃厚ながら和のテイストも感じる優しい味わいで、こちらも調味は塩と胡椒のみだとか。

「イベリコ豚　肩ロース肉グリル」

メインに選んだのは「イベリコ豚　肩ロース肉グリル」。ロゼ色に仕上げるため「長時間かけて焼いたり寝かせたりを繰り返す」という豚肉は柔らかく、凝縮された旨味と脂の甘味が癖になる美味しさ。

真空調理を施したキャベツは、口の中でくたっとほどけ香ばしさととろける甘さに驚き。「肉の骨から出た出汁を煮詰めて作ったソースも自慢です。仏産ディジョンマスタードと合わせて味わってください」とすすめられ、あっという間に完食。

ここでコース終了のところ、今回特別に「モルタデッラ・ピスタキオ」をいただくことに。

「モルタデッラ・ピスタキオ」※ランチコースでは＋500円で注文可能※写真は2人分

32㎝のお皿からはみ出すほどの大きさに驚き！ピスタチオクリームにクラッシュピスタチオ、ピスタチオが入ったモルタデッラハムと、まさにピスタチオ三昧。

しっかり焼かれた生地は、表面の焦げ目もおいしく、さくさくの中はふんわりで小麦の香りもしっかり。そこにピスタチオクリームの甘さが合わさり絶品。

「イタリアは食を大事にする文化が息づいています。塩とオリーブオイルだけの調味が基本なのは、新鮮で上質な食材の美味しさを引き出すことで、より美味しくするため。素材を引き立てるシンプルさが大事」と話す2人。

まさに「塩梅」の力、絶妙な塩加減の技とセンスが冴える兄弟シェフの料理を、次回はディナーでワインと一緒に楽しみたいと思います。