阪神御影エリアの住宅街にひっそりと店舗を構える『パンのお店ito』は2017年からご夫婦で営業を続けている地元で人気のパン屋さんです。

ナチュラルでやわらかな雰囲気の店構えは地域に溶け込んでいます。

店主の小塚章彦さんが一人で1日に焼くパンは、なんと約70種類！少量ずつ次々に焼くので、来店時間によってラインナップは変わりますが、それもまた楽しみなところ。

今回お邪魔したのは夕方だったのですが、それでも25種類ほどのパンが並んでいました。夕方に来たお客さんにもある程度種類があるようにと、ひっきりなしにパンを焼き続けています。

渋皮栗と柚子ピール！アーモンドクリームとかぼちゃあんにシナモン！ラベルの説明書きを読んでは、素材の組み合わせに心掴まれ、どれもこれも欲しくなってしまうのがitoの魅力。今回は秋冬の食材を使った３つのパンをテイクアウトしました。

「レンコンと長芋のタルティーヌ」400円（税込）

「レンコンと長芋のタルティーヌ」は持ち帰って袋をあけた瞬間、ふわあ～っとガーリックの良い香りが！早速ナイフで切ってひと口頬張ると、レンコン、長芋がシャキっといい歯ごたえです。バケットにたっぷり乗ったクリーミーなベシャメルソースと自家製タプナード、トッピングのフライドオニオンも◎。

タプナードというのは、黒オリーブ、ケーパー、アンチョビ、にんにくを刻んで作る南フランス発祥のペースト。バケットをかみしめるごとに風味が鼻を抜けて絶品でした！これはワインに合いそう。

「舞茸とパンチェッタのフォカッチャ」300円（税込）

「舞茸とパンチェッタのフォカッチャ」はポルチーニソースを混ぜ込んだベシャメルを土台に、パンチェッタと舞茸がふんだんに乗ったパンです。舞茸のクキュックキュッという歯ごたえが面白く、熟成されたパンチェッタの旨味がいいアクセントになっていました。

「栗とチョコとヘーゼルナッツのクロワッサン」300円（税込）

マロンペーストにヘーゼルナッツペーストを合わせ、チョコチップと刻んだ渋皮栗を巻き込んだ「栗とチョコとヘーゼルナッツのクロワッサン」は、チョコとヘーゼルナッツの風味が香り、つぶつぶと栗が感じられます。何よりクロワッサン生地がサクッとしっとり、風味も豊かで贅沢なスイーツのよう♡

他にも、お子さまの1歳のお祝いで背負う「一升餅」ならぬ「一升パン」も人気。最近では用途が派生して、色々なお祝い用に注文が入ることも増えてきたそう。取材日はちょうどプロポーズのお祝い用の一升パンを焼いていました。素敵ですよね！

今でも種類の豊富さにワクワクするのですが、小塚さんは以前販売していたベーグルや、ブラウニーなどの焼き菓子、他にもまだまだ焼きたいパンがたくさんあり、いずれはスタッフを増やしたいと考えているそう。

奥様の有紀さんを始め、スタッフの方の気さくな接客も人気の理由。取材日も常連さんのお名前や好みの商品を覚えていて、声を掛けられていました。店名のito（=糸）にもあるとおり、地域の皆さんとの縁を紡ぐあたたかいパン屋さんでした。